vs 防弾少年団。④ (ページ17)

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ROUND　149 ページ17

　
　
　

ふつふつと心地いい音

セットされた小さな1人用の土鍋から白い湯気が出る

さくさくとサラダを作るソクジンを前に

カウンターを挟んだ向かいの席に座って

ぽつりぽつりと話ながら

ただ、静かにしてた

「アナンがね、A1人じゃ心配だって

何も出来ないから

帰るまでに飢え死にしてるかもって」

「そんな事ないよ……」

「そう？」

「あるかも……」

「どっち(笑)」

ソクジンは、昨日の事も

テヒョンの事も話さなかったし

どうしたのか、何があったのか

私に聞くことも無かった

ただ、本当に何気ない会話が

今は心地良くてー

でも、テヒョンの事も

昨日の事も

知りたかったのは私の方

「あの……」

躊躇う気持ちが言葉を詰まらせる

土鍋に向かい、私に背を向けてるソクジンは

何も言わないから

「……」

結局、私も黙ってしまう

「今日はね……打ち合わせだけだったんだ

みんなは別の仕事してるよ」

目の前にとんっと土鍋が置かれて

お椀とレンゲ

サラダが置かれれば

「冷めないうちに食べて」

ソクジンがにっこり笑った

「うん……」

真っ白なお粥に

レンゲを入れて

手が止まる

「どうしたの？」

きっと心配してくれて

気を使って何も聞かないでくれて

話をしないでくれるソクジンに

ただ

申し訳なくなる

自分の事しか考えられない私は

ソクジンみたいに大人じゃないってー

「先に食べて」

ソクジンの言葉に顔を上げれば

「それとも、食べさせて欲しいの？」

「いただきます」

「えー残念(笑)」

ソクジンの笑顔につられて

私も笑った

　
　
　