vs 防弾少年団。 (ページ40)

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ROUND　40 ページ40

　
　

あれから1週間して

ようやく運動、ダンスが解禁されて

仕事を全て終わらせた後

汗だくになりながら

練習室にこもった

夜中のたった1人の練習室は、私には広くて

鏡がある奥側の電気のみの薄暗い中

スマホ片手にイヤホンを耳に差し込んだだけ

スタッフも何人かしかいないのに

爆音で音楽なんかかけられない

「はぁ、はぁ……っ」

久しぶりに体を動かしたからか

1曲目の途中で、もう息があがった

宿舎で1人、Tea.の曲をテレビで見ながら

あの3人のフォーメーションの方が

やりやすそうだなって

ちょっと僻んでみたりしたけどー

3人に、戻ってくれて良かったって言われたい

のに

予想以上に体も足もついていかなかった

もう、あと何週間後に迫った日本イベント

こんなんじゃ、恥ずかしすぎて日本にも帰れない

それに、イトゥクに聞かれた質問に

迷うことなく返事を返せなかった自分にも

苛立ちを感じてた

もう、なにもかも上手くいかない……

そう思ったら涙が出てきてー

練習室に仰向けに倒れたまま

イヤホンを外して目元を腕で伏せた

もう、あがった息のせいで苦しいのか

泣いてるせいかも分からない

「また、足イカれちまうぞ」

そうユンギの声がして

倒れたままの私の頭の横に、トンってペットボトルが置かれた

「よっと」

わざとらしく声を出して

私の横にユンギが座った

「はぁ」

大きく息をついて、呼吸を落ち着かせる

「無理してやってもさ、いいことないよ」

腕で隠した真っ暗な闇の中で

ただ、ユンギの言葉に耳を傾けた

ユンギは、ちょっと特別で

他の先輩共とは違って

無理難題を押し付けてくるような事はしない

だけど

ユンギの中に私は存在してないんじゃないかってくらい無視される

無視されるっと言うか、話すとか絡むなんて事があまりない

だからよけいに

一言が重く感じる

　
　
　