ROUND 21 ページ21
私達は、スタッフ達に支えられて入り口に入った
「大丈夫？！怪我は？！」
スタッフが慌てて、刃物で切られたりしてないか
血が出てないか確認をする
「アナンさん、足から血が！」
「急いで手当てして！」
倒れた時に擦りむいたのか
アナンの膝から血が滲んでた
そんなん、今じゃなかったらなんて事ない傷
でも、今だから事は大きくなる
「大丈夫、かすり傷だよ
消毒しとけば平気だから」
真っ青な顔したアナンにそう声をかけた
スタッフが安堵の表情を見せたけどー
「うー」
「ひっく……っ」
それと同時に3人が泣き出した
スタッフさん達が3人の体を支えて
共演者共通の控え室に連れて行くのを見送った
「Aちゃん、大丈夫？」
スタッフさんに声をかけられて
「私は大丈夫なんで、先に行ってください」
そうスタッフを追っ払って壁に背中をつけた
さっきからずっと右足がズンズンと鈍く痛い
突き飛ばされた時に足を捻ったのかな……
「なんだよ……もうっ」
壁伝いに腕を這わせるようについて
体を支えながら
人気のない非常階段まで歩いた
階段に腰かけて、腫れてないか見ようにもー
靴を脱ぐことが出来ないくらい痛い
堪えてた涙が目の前を歪ませた
「はぁ」
深く息を吐いて目を閉じた
きっと昨日のファンの子が心配してたのは
こういう事なんだよね？
それもこれも
……全部私が悪いんだ
私の中にある、防弾少年団への不信感が
嘘だったはずのネタも本気に見せたんじゃないの？
それとも
チャニョルが言ってたみたいに
私に対する、本当の防弾少年団の態度が見えて
ファンが動いたのかな……
どっちにしたって元凶が私だって事は分かってる
ゴシゴシって目をパーカーの袖で擦って
時計を確認した
あと、何時間で生放送が始まる？
私達の番まで、あとどれくらい時間がある？
泣いてなんていられない
もう、これ以上
迷惑なんかかけられない
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作者名：LINK | 作成日時：2016年9月14日 20時
