俺の最低な彼女。【赤羽業】 (ページ9)

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　『おい、なんだ腑抜けた顔して』

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　『私が死んだとでも思ったのか?』

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　殺せんせーを殺して、一年と少しが経った。

　皆は殆どバラバラの高校に進んだけど、渚含め何人かは今でもたまに連絡を取り合ってる。

　勉強はまあ、そこそこに。

　うだるような暑さに額の汗を拭う。

　ユラユラと遠くのアスファルトから立ち上る陽炎に景色が歪んでる。

　真っ白なワンピースを着た人がその向こうに見えた。

　その華奢な体躯に三年前を思い出す。

　と同時に、どうしようもない苛立ちが募ってくる。

　何この暴力的な暑さ。幻覚見えるんだけど

　こんな幻覚見たくもない。

　─────────おい。

　低めの凛とした声も聞こえる。

　うわヤバ、熱中症かな幻聴まで聞こえてる

　『おい、何しょぼくれた顔してんだ』

　突如近くでした声に弾かれたように顔を上げると。

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　「嘘…………」

　夏空よりもずっと深い青の瞳を携えた彼女がいた。

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