俺の最低な彼女。【赤羽業】 (ページ4)

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　ちりりん。

　風が揺らせたウィンドウチャイムが涼やかな音を奏でる。

　「…………こんなん勝手につけて良いの？」

　『取ろうと思えばすぐ取れるからな、別に良いだろう』

　許可は取ってないらしい。

　『……子供の頃から愛用してるんだ。此処にも持ってきたかった』

　…………

　「…………ッあっ、そう…………っwww」

　『……何を笑ってる』

　ヤバい、抑えきらんない

　「子供の頃からって、ホントにそんな、子供みたいなこと言って吊るしとくとか……www」

　『……ぅうるさい！！お前にとやかく言われる筋合い微塵たりともない！！！』

　一人で笑い転げていると白い何かがビュンッと飛んでくる。

　クッション代わりの枕をなんなく受け止めると更に歯をキリキリと食い縛って顔を赤くした。

　返そうとするとすかさず正拳突きが鳩尾にめり込んでくるが予想済みなので枕でガード。

　大きく凹みができただけで俺にはノーダメージ

　『…………ぅう、バカぁ…………ッ』

　「え」

　体育座りにした膝に顔をうずめてしゃくり上げだした。

　時折ヒックヒックと丸めた背が上下する。

　え、ちょっと待って、え、

　「えー……ゴメンて…………」

　声をかけながら近づいてみるが途切れず続く声。

　『ぅー…………』

　「A…………ごめんってば」

　背中を擦ろうとして指先が触れた。

　バッ

　「え？」

　『ばーか。嘘泣きだっ！』

　えぇ…………

　まんまと騙されたことに気を取られて、振りかぶった白いそれには気づかなかった。

　ぼふ！と顔面にクリーンヒットしてくる枕。

　『やーいバーカ！！二度と来んな！！！』

　「…………」

　今日は撤収、とくるりと踵を返した。

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