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Kaito
毎日遅くまで勉強する廉が寝静まると、養父は海人の部屋に来る。
舌で海人の口をこじ開けて、水で溶いた粉薬を流し込む。
この薬が海人にモノを考えることをやめさせてしまう。
そしてこの時間の苦痛を、到底味わったことのない快感に変える。
薬が切れるとたった数秒前のことが思い出せなくなり、自己否定感で満たされる。
この夜の習慣は薬を与えられる前は恐怖でしかなかったが、今は薬が貰えるので良いや、と投げやりに思う。
前に1週間連続で養父が帰って来なかった時、酷い禁断症状に襲われ、海人はいつのまにか自力でK大学まで来ていた。
もう自分は薬がなければ生きられない体だと、その時になんとなく知った。
それがまずいことだとも思えないくらい、もう薬に脳まで侵されているのか。
洗脳…そんな単語は知らない。
けれど養父のしていることは間違いのない、洗脳だった。
「いいかい、誰にも言うんじゃないよ」
「はい…」
「言ったら、お兄ちゃんは退学にするぞ」
「はい…」
よし、いい子だ、と養父は海人の頬を撫でる。
脳はハチミツの海に漬けられたかのように甘くて重たくて、
たびたび襲う鈍い刺激がこの上ない快楽に代わって、全身に伝ってゆく。
意識が飛んでいるのに、養父の声だけは常にまっすぐ届く。
「可愛いね」
柔らかな海人の髪が、大きな手で掻き乱された。
「可愛いよ、海人」
骨と皮の体を、養父の指がなぞる。
「可愛いよ…だから、」
押し寄せるような鈍い歓びは、偽物だから鈍い。
「…だから、そのままでいなさい」
それは、呪いだ。
このまま小さい自分でいなければ、廉が学校を辞めさせられる。
でも、どうすれば小さいままでいられるのだろうか。
中学校に入学し、保健室の前に貼ってあった全校生徒の身体測定の統計結果を見て、
そして、体重の少ない生徒は身長も低いことに気付いた。
体重を落とせば、相対的に小さくなれる。
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みよ(プロフ) - いやいや！全然大丈夫です！ウキウキしながら待つのも楽しいので！応援しています!! (2020年3月16日 2時) (
レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - みよさん» そうですよね、未完が多くて申し訳ないです！未完のものは結末は定まっているのにパスを忘れている状態なので、また時間があればこちらのアカウントで書き進めるかもしれません。お待たせして申し訳ないです（汗） (2020年3月15日 19時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - レスありがとうございます！！嬉しいです！実はもう既に全て読んでしまってます笑本当にお話全てが好み過ぎて笑アイムドールのお話の続きも気になっている状態です笑無理しない程度に頑張ってください!! (2020年3月15日 18時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - →一つの作品の更新すらままならない状態ですので、ご期待に添えないことは多々あると思いますが、みよさんのように応援してくださっている方のおかげでなんとかまだ続けられています（笑）本当に勿体無いお言葉の数々です。ありがとうございます。 (2020年3月15日 17時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - みよさん» 有り難いお言葉の数々嬉しいです。只今のんびりと更新中の「星を乞う」という作品のほか、LIKKAで作者検索していただくと前のアカウントで書いていたお話が数個出てくると思います(読了済でしたら申し訳ございません)。忙しく、なかなか作品の掛け持ちはおろか→ (2020年3月15日 16時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2019年8月6日 9時
