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Kaito
「海人！」
ガシャーン、と大きな音が聞こえて、何かが割れる。
派手に割れた窓から部屋に入ってきたのは、ショウだった。
胸元のゴールドの鎖。何かを思い出せそうな気がした。
「な、なんだ…ショウじゃないか！何してるんだ！」
全裸の養父が狼狽えていた。
海人も起き上がろうとしたが、軽いはずの体が重くて持ち上がらない。
「こんなことをして許されると思ってるのか！警察を呼ぶぞ！」
「どっちのセリフですか」
ショウはスマートフォンを出し、ベッドで呆然とする海人と全裸の養父を一枚の画角に収めた。
「何するんだ、よこせ！」
そう養父は飛びかかったが、ひらりとショウが身を躱すとあっさり中年の醜い全裸がガラスの破片の上に投げ出された。
「痛え！こんな…警察呼んでやるぞ！」
「…その何倍も、何百倍も、痛かったです。
俺も海人も。
警察ですか。どうぞ呼んでください」
海人の体を片手で持ち上げ、ショウはベッドサイドに置かれていた大量の薬と注射器を反対の手で拾い上げた。
「行くよ」
ショウの腕の中は、なぜかひどく懐かしく心地良かった。
破片の上でわなわなと震えている養父を見下ろす。
その裸体は豚のように白くて、無駄な脂肪でいっぱいで、ところどころ破片で血が出ていた。
汚いなあ、と初めて思った。
「初めて会った時も、お前が倒れた時だったな。
いや、初めてじゃないんだよ、ほんとは」
薬をポケットにしまい、海人をお姫様抱っこに抱き直してからショウは呟く。
夜の別荘街は静まり返っていた。
「え…？」
ショウは海人の顔を凝視してからポケットを探り、液体の入った小さなボトルの匂いを少しだけ嗅いで海人に飲ませた。
どんどん頭が冴え渡ってくるのがわかる。
ショウがまずいことをしたのだと、その時ようやくわかった。
早く養父の元へ帰らなければ、廉まで見放される。
「…降ろして！」
ショウは海人を地面に降ろしてくれたが、とても1人では立っていられなかった。
道を這いながら、海人は引き返そうとする。
「やめろ。戻ろうなんて考えるな」
「…なんて…余計なこと、してくれたんだよ…」
廉が良い人生を歩んでいる途中なのに。
海人は、そのためだけに何もかも我慢してきた。
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みよ(プロフ) - いやいや！全然大丈夫です！ウキウキしながら待つのも楽しいので！応援しています!! (2020年3月16日 2時) (
レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - みよさん» そうですよね、未完が多くて申し訳ないです！未完のものは結末は定まっているのにパスを忘れている状態なので、また時間があればこちらのアカウントで書き進めるかもしれません。お待たせして申し訳ないです（汗） (2020年3月15日 19時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - レスありがとうございます！！嬉しいです！実はもう既に全て読んでしまってます笑本当にお話全てが好み過ぎて笑アイムドールのお話の続きも気になっている状態です笑無理しない程度に頑張ってください!! (2020年3月15日 18時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - →一つの作品の更新すらままならない状態ですので、ご期待に添えないことは多々あると思いますが、みよさんのように応援してくださっている方のおかげでなんとかまだ続けられています（笑）本当に勿体無いお言葉の数々です。ありがとうございます。 (2020年3月15日 17時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - みよさん» 有り難いお言葉の数々嬉しいです。只今のんびりと更新中の「星を乞う」という作品のほか、LIKKAで作者検索していただくと前のアカウントで書いていたお話が数個出てくると思います(読了済でしたら申し訳ございません)。忙しく、なかなか作品の掛け持ちはおろか→ (2020年3月15日 16時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2019年8月6日 9時
