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ある日の屋上
看護師さんに
「絶対車椅子から一人で立たんといてくださいね」
っていつものように念押されて
一人でぼんやり月を見る
あれって上弦の月?下弦の月?
何遍聞いても覚えられへん
退院したらまるに聞いてみよ
そんなこと考えとったら
ドアが開く音がした
えっ?もぉ30分たった?
めっちゃ早ない?
そう思いながら入口の方に目をやる
いっつもやったら看護師さんの持つ懐中電灯のあかりが見えるはずやのに
それが無い
暗がりに目を凝らすと
ぼんやり車椅子に乗る人影が見えた
それと同時に
「あっ」
って車椅子の主も俺に気がついたんか声をあげた
「ごめんなさい」
そう口にした車椅子の主は
若い女の子の声で
内心まずいんちゃうの?
って思ってもたけど
こんな時間にこんな場所に
車椅子で一人で来るってよっぽどやん
そう思って
「俺の事は気にせんでええよ」
って言ってもた
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作者名:UTA | 作成日時:2020年9月19日 9時