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彼女はそう言うと
何て事ないように
その場で車椅子の向きを変えて
俺に背中を向けた
あかん
行ってまう
「なあ」
「聞いてもええ?」
彼女の背中に向かって
そう叫ぶように声をかける
「内容によるよ」
車椅子止めて振り返った彼女は
やっぱり笑ってそう答えてくれた
俺は車椅子をぎこちなく動かして
彼女のそばまで行く
彼女も車椅子を俺の方に向けてくれた
「なあ」
「LINE交換してくれへん?」
シートと体の間に置いてたスマホを取り出して
恐る恐る口にする
彼女は黙ったまんま
真っ直ぐに俺を見る
やっぱりあかんか
俺ん事
入院しとるおっちゃん位にしか思もてへんもんな
病院でやさかい話してくれとっただけで
きしょいわなぁ
頭ん中
ぐるぐる思考が巡る
こんなん言わんかったら
検診とかで会えた時に話せたかもやのに
いや
そもそも科が違うちゅうねん
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作者名:UTA | 作成日時:2020年9月19日 9時