LIAR INFERNO-法螺吹きの業火-【合作オリジナル】

第30話 ページ31

【波風射美子】(闇鍋ソース)

「おのれクソ国家がぁ…！」

私は持っていた鉛筆をへし折ってしまった
と、言うのもスピーカーから聞こえてきた言葉に頭を抱えざる終えなかったからだ
あの集団の中にいるLIARを見つけろ…だと？
嘘つきだらけのあの中からどうやってそいつを見つけろというのだ！
無理だろ！
誰がどんな真意で嘘をついているのかは知らんがどれにせよ真っ黒なことにはかわりないのだからな！

「おのれ国家め…当て付けか、当て付けなのかこれはぁ…クソが！」

…いかん、冷静さを失うな
それこそ奴等の思う壺だ
今は状況の把握だ
私は手元にあった日記帳兼ノートに記したこの監獄の地図を見た
監獄じゃない？
私にとっては監獄だ
自由が制限されるなんて冗談じゃない
私は私のやりたいようにやる
誰かの指図など受けるものか
地図はあの集団のいる部屋に置いてあるのだろうがそれが真実かはわからない
それに自分で書いておけばあそこに載っていない情報も書けるだろう
現にどの場所にどんなものがおいてあり、障害物がないかなど細かく書いた
ことあるごとに死を誘発させるような仕掛けがまぁたくさん
死にたがりにはうってつけなんじゃないか？
特に屋上
あれなら薬なしで綺麗な赤い花を咲かせて痛みもなく死ねるだろう
まぁ私はごめんだがな
LIARが何をするのかは知らないが誰かを屋上におびき寄せて突き落とすなんて事もあるかもしれない
勿論これは誰にも見せない
私だけの情報だ
下手に知らせればそれが何に使われるかわからない
後は安楽死の薬が２瓶、救急セット、メス
これらは道具を作るのに使う
心許ないが救急セットに入っている道具とメスでどうにかドライバーなどをこしらえたい
そうすれば施設を少し解体して何か作れるだろう
問題は木材がこの監獄にあるかどうかだがそれはおいおい考えよう

「にしても見つけ出すか…誰も彼も怪しすぎるわ…」

一部信頼はできそうなのが二人ほどいるがそれも信じていいのか分からん
今は状況をみて慎重に行動すべきだろう

「さて、そろそろ戻らなくてはな…あーいやだ…なんで私がこんな目に…クソ…覚えてろよクソ国家…」

本当ならあの場にいる嘘つきども全員殺せたらいいが…
さすがにそうもいかないだろう
さて、戻ったらあの場にある見取り図も一応みておくとしようか
白衣に取り付けた大容量収納袋にそれらを入れ、部屋へ向かった
扉を開ければ皆がこちらを凝視する
あるものは嫌悪感のこもった目で
あるものは動揺と畏怖の目で
あるものは偽りまみれた演技の目で
さて、どうこの地獄を攻略するか…

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