第29話 ページ30
【北坂紫】(お蜜柑食べたい@少し時間軸が戻っています)
0時も近いので皆をロビーに呼び寄せる。
さっき私の部屋に来た神音さんと雑談をしていたら、あっという間に過半数が集まった。
その中には少し言い合いをしてしまった血亞さんもいて、何となく視界から追いやってしまう。
ごめんなさい血亞さん。私には私の信念がある。
悪いけれど、貴方の思いに如何なる理由があろうとも私は引く気はない。
私はもう、決意をしてしまったのだから。
「のんも混ーぜてッ!」
少々会話とずれた思考を戻してくれたのは、一軍オーラ漂うのんさん。
こちらもまた私の苦手な……いや、それはどうでもいい事だろう。
今はそんな個人の事情よりも大切な事があるし。
「あ、のんむーちゃんとかのっちって二人のこと呼ぶからねー」
お、おお?
別に良いけど、私の方原型留めてなくないですか?
きっと「紫(ゆかり)」→「紫(むらさき)」→「むーちゃん」という感じなんだろうけども。
他愛もない話を続けているとまだ来ていなかった男子組も到着し、
今現在来ていないのは射美子さんと他2名。
まだ全員を把握しきれていないのでわからないけれど、きっともうすぐ来てくれる筈。
心配なのは射美子さんだ。
もし来なかったら、それによってペナルティー的なもので死んでしまったら……
「出てった子いたでしょ?波風って子」
「あーいたね。どしたの?」
「もしかしたら、安楽死のお薬、持ってるかも」
あ、丁度出てった子のこと考えてました。
確かにその薬を持っている可能性は結構高い。
それで死のうとする様な人では絶対ないだろうけど、
人間を殺す為の物を彼女が持っているのだと思うとあまり良い気はしない。
取り敢えず私から、
「そうかもしれないけど、どうしますか?もう0時になるし、探しに行った方が良いですかね……」
と本心を告げる。
反応は半々で、賛同する声もあれば「別に勝手にさせてれば良いんじゃない?」なんて声もある。
おい聞こえてるぞ。
でも私は聞き逃さなかった。
皆の声に紛れて、ドアの向こうから物音がしたのを。
ドアを開けるのは射美子さんか。それとも他の人なのか。
それは私にもわからない。
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葡萄ゆづゆ(プロフ) - 続編作るので少々お待ちください! (2019年5月24日 5時) (レス) id: 558c917974 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - メモ欄にメモを残しておきました。更新時に書くのを忘れていたので! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - と思ったら続編に続いちゃうので制作者様が作るまで待ちます… (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新します! (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ヨミ紅蓮(プロフ) - お蜜柑食べたいさん» 修正どうぞー (2019年5月21日 12時) (レス) id: ee2faa79c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青少年心情行動観察実験許可法被験者一同 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2019年5月2日 9時