第28話 ページ29
【若取 残】《アヤ》
ロビーにはみんなが集まってて、のんはやってきたむーちゃんとかのっちと一緒にいることにした。むーちゃんとかのっちは早速仲良くなったらしく、談笑に花を咲かせている。
「のんも混ーぜてッ!」
ぎゅっとかのっちに抱きつくと一瞬かのっちは驚いたようだけどすぐに笑顔になって危ないでしょーと笑いながら私の頬を優しくつねる。私ははにかみながら話題を口に出した。
「あ、のんむーちゃんとかのっちって二人のこと呼ぶからねー。」
お気に召されました?と小首を傾げればむーちゃんは名前の原型が残ってないわね、と笑いながらオッケーしてくれた。かのっちは無論のことオッケーだ。こっちのほうが呼びやすいし可愛いし何より特別感が出て好き、のんはね。
「そういえばたっちーくんは?」
私が唇に人差し指を当てながら問えばむーちゃんは眉根を寄せた。顔によく出る子なんだなあとのんは呑気に考える。
「たっちーくん?」
「橘くんのことじゃない?」
伝わらなかったむーちゃんと即座にフォローに入るかのっち。なるほどこの二人いいコンビ、3人グルはハブられちゃうかもだけどのんはふらふらポジだし問題なしだ。
「あ、若取ちゃん橘くん来たよ。」
かのっちが入り口を指す。そこには何人かと一緒に入ってくるたっちーくんが。コミュ力高いなあやっぱと自己完結してのんはかのっちの横腹を優しく突く。
「おーほんとだ。てかかのっちのんってよんでよ、若取ちゃんダサいー。」
するとかのっちはどことなく困り顔で私の頬を再びつまむ。
「みょ、う、じ、で、しょ、う、が。」
「親御さんが泣いちゃうわよ。」
大切にしないと、とむーちゃんにも言われて私は不貞腐れたように頬をふくらませる。だって、ダサいもん。
なかなか会話が盛り上がってきたところでたっちーくんがやって来た。深夜だというのにテンションmaxな女子組に負けず劣らずな笑顔を浮かべてたっちーくんがやって来る。
「えっと、僕呼ばれたよね?」
「若と」
「のん。」
「のんちゃんが用事あるんだってー。」
かのっちがまたのんよびしなかったので牽制しつつのんは3人を手招きした。小さくまとめて少し上目遣いをして、のんは呟く。
「出てった子いたでしょ?波風って子。」
「あーいたね。どしたの?」
かのっちが少し嫌そうな顔になったのはそういう事なんだろうなと思いながらのんは少しうつむきがちに呟いた。
「もしかしたら、安楽死のお薬、持ってるかも。」
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葡萄ゆづゆ(プロフ) - 続編作るので少々お待ちください! (2019年5月24日 5時) (レス) id: 558c917974 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - メモ欄にメモを残しておきました。更新時に書くのを忘れていたので! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - と思ったら続編に続いちゃうので制作者様が作るまで待ちます… (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新します! (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ヨミ紅蓮(プロフ) - お蜜柑食べたいさん» 修正どうぞー (2019年5月21日 12時) (レス) id: ee2faa79c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青少年心情行動観察実験許可法被験者一同 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2019年5月2日 9時