LIAR INFERNO-法螺吹きの業火-【合作オリジナル】 (ページ25)

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第24話ページ25

【如月直】(くろーさぎ)

「中央にある資料って……これの事かな？」

スピーカーの声がやんだ後、おれは中央の机の上に置かれていた、冊子を手に取った。

「それ、何て書いてあるの？」

橘君に問われ、読み上げる事にする。

「『青少年心情行動観察実験許可法の案内』……」

全員の視線が自分に集中しているのを感じながらおれはすらすらと読んでいく。

『ゲームのルールは参加者の中から、嘘つき
である“LIAR”を見つける事。

参加者には全員共通で、毎日0時にLIARから指令が届く。

その内容は日によって変わるが、従わなければ罰を受ける。

LIARと思しき人物の見当がついたら、屋上のプレハブ小屋で、その人の名前を紙に書く。

その人がLIARならばゲーム終了、LIARでなければゲーム続行。ランダムで罰ゲームがある。

プレハブ小屋には何度でも入れるが、入れるのは一人ずつ。』

その後の1文を読んだ時、おれの心臓がドクン、と音を立てた。

「『尚、命を絶つのも可とする』……」

……つまり、生きるのも死ぬのも自由という事。

「……それって」
「ぷはぁっ……！！何……死ねるの……！？」

それまで黙っていた少女……根音さんが、少し興味を持ったようにおれの方を見た。

「え？ああ、みたいだけど――」
「そっかぁ……死んで良いんだ～……やった～」

どことなく嬉しそうな彼女に、済城さんが呆れた様子で「……死にたいの？」と呟いた。

「そうだよ……じゃ僕、さっそく死んでく――」「ちょっと待って、またスピーカーから何か指示を出されるかもしれないよ。今は皆でここに居た方が良いよ」

橘君の意見に、北坂さんも「そうだよ！」と同意する。

「ていうか、死にたいなんて簡単に言わないで。命を絶つなんて事が許されるはずないでしょ？」
「うるさいなぁ……俺は死にたいんだよ。何で口出しして……」

おれはすぐさま止めに入った。

「ここで喧嘩になるのはやめよう。それよりも、これからどうするか、でしょ？」

皆の意識がおれに向いているのを確認して、おれは頼りになりそうな二人に目をやった。

「橘君、北坂さん。おれ達はこれからどうすれば良いかな？」

少々投げやりに司会を任せてしまったが、仕方がない。この状況下では、まとめ役が必要になってくる。それはおれじゃない、この二人のどちらかがなるべきだと、少なくともおれはそう思う。

上手く争わないで進められたら良いけどな……。そんな事を思いながら、おれは二人の話を聞いた。