第19話 ページ20
のんがその素敵なプレゼントを見つけたのは給湯室みたいな場所だった。シンクは綺麗で水一つついてなくて、誰一人使ってませんでしたよアピがされてるようなところ。そんなところにぽつんと、いや数的には結構ずっしりしたイメージを持つのだけれどたくさんの小瓶が置いてあった。
数にして20ちょうど、アリスに出てくる薬みたいなキラキラ緑の色をしている。のんは手にとってくるくる回してみた。液体は揺れる、沈殿物はない。
「安楽死の薬、かぁ。」
説明書みたいに裏のパッケージにはそう書いてあって、のんは其れを手にとって元の部屋に戻ることにした。なぜか?目覚めたときに隣に自 殺を促す薬があったら、またはそれをすでに誰かが飲んでたら。
「素敵だよねぇ。」
頬を緩ませながらスキップで歩いていく。そろそろ部屋につく頃だから気を引き締めようと頬を叩いてのんは無表情になった。だって起きてないと思ってたのに中から話し声がしちゃうのだ。予定が狂って残念、残だけに。のんは今とってもこの部屋の中の人たちが怖い怖いとイメージして、恐る恐る扉を開ける。
目が、目が目が目が目が目がのんを向いていた。
ドキドキする心を抑えて怯えるような顔をして、のんは震える手を見せつけるようにしながらゆっくり扉の中に足を踏み入れる。
「えっと」
「良かったー!一人見つけた!大丈夫?」
のんの手を思いっきり掴んだサイドテールの女の子にのんはわざと引きつった笑みを返す。大丈夫じゃないことを察したのかその子は不安げな瞳で見つめだした。辺りを見回せば大抵の反応でのんをどうでもいいと思っているかどうかがわかる。
「うん、ごめん。のんが起きたときみんな寝てて、呼吸音したけど誰も起きなくて、怖くなって逃げたの。」
そしたらこれ見つけて、それでもっと怖くなって生きてる人がいるって信じたくなって、と私はつぶやく。支離滅裂で混乱してるみたいな発言を。するとサイドテールの子は私の両手を握って笑った。
「みんな生きてるから大丈夫だよっ!よかったら自己紹介してほしいかな。」
あ、私時雨神音。と笑ったサイドテールちゃんにロックオンしながら私は少し頑張って笑ってるふうに微笑んだ。
「若取残、のこりの「の」とざんの「ん」でのんって呼ばれてたし、そっちのほうが可愛いからのんって呼んでくれると嬉しいかなあ。」
よろしく神音ちゃん、と優しく握り返せば神音ちゃんは少し驚いてそして嬉しそうに笑った。
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葡萄ゆづゆ(プロフ) - 続編作るので少々お待ちください! (2019年5月24日 5時) (レス) id: 558c917974 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - メモ欄にメモを残しておきました。更新時に書くのを忘れていたので! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - と思ったら続編に続いちゃうので制作者様が作るまで待ちます… (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新します! (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ヨミ紅蓮(プロフ) - お蜜柑食べたいさん» 修正どうぞー (2019年5月21日 12時) (レス) id: ee2faa79c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青少年心情行動観察実験許可法被験者一同 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2019年5月2日 9時