LIAR INFERNO-法螺吹きの業火-【合作オリジナル】

第18話 ページ19

【橘奏多】(暁月)

とりあえず皆を起こし､自己紹介まで持ってくることができたようだ｡ただ､この自己紹介にさほど乗り気でない人も多いようだ｡

離れていたところにいた人たちもどうやら連れてこられたようで､この集団からはぐれている者は1人もいない｡

だが辺りを見回すと確実にイヤそうな顔の人もいる｡それは仕方のないことだと諦めていただきたいと思うのだが｡

バレないように小さくため息をついた｡政府もなかなか癖の強そうな人を多く集めたものだ｡ひとまず北坂さんに自己紹介の進行を頼み､僕は人数を数えることにした｡

北坂さん､僕､根音さん､直くん､…あぁ､名前､聞いてなかったな…あの病弱そうな男子……と数えているうちに､違和感を感じた｡19人しかいないのだ｡

数え間違いかと思ったが､何度数えても19人｡おかしい｡20人いるはずではないのか?

「…1人､足りない…?」

ちょうど自己紹介が始まろうというときに止めてしまって申し訳ないが､このまま進めていいのだろうかという不安にかられたのだ｡

案の定､口を開きかけていた北坂さんも動きを止めてこちらを見た｡そしてもともと発する予定だったであろう言葉とは違うものを発する｡

「それは確かに私も気になっていたのだけど…」

彼女のそのあとの言葉は､ガチャッというドアが開くような音でかきけされた｡

それに反応して皆が驚いたようにその方向を見る｡中には興味なさげな人たちもいたのだが｡

そして､開けられたドアの先には手に謎の薬を持っている怯えたような顔の女子がいた｡

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