LIAR INFERNO-法螺吹きの業火-【合作オリジナル】

第16話 ページ17

＜済城花綾＞(葡萄ゆづゆ)

途中からは起きた人数も増えたので起こす手伝いをするのはやめた。

周りを見渡すともう横たわっている人は見当たらない。どうやら全員が起きたらしい。微かにまだ痛む頭を見ないふりして欠伸を噛み殺した。

しばらくするとフロアの真ん中の方にほとんどの人が集まっていたことに気づく。何かを話しているようだ。中心にいるのは先程話した紫と銀髪の男子だ。

私には関係ないなと敷地を適当に見回していると、後ろから肩を叩かれた。


「時雨神音です！なんかとりあえず自己紹介するみたいだから呼びに来たんだけど」

「パスって伝えといて」


えええ、とその子は大袈裟に肩を落とす仕草を見せる。本心からなのだろうが、どうしてもむかむかする。

自分の性格が悪いのは自覚済みだ。


「ほら、ほらほらほら、あとはみんな集まってるから！あっ寝そうな子もいるけど……まあとりあえず、とりあえず行こ？ね？」


ああ煩い。

キンキンと鳴る喉を軽く睨みつけ、しょうがないなと手を引かれた。どうしてこうなった。放っておいてくれればいいのに。

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