LIAR INFERNO-法螺吹きの業火-【合作オリジナル】 (ページ15)

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第14話ページ15

＜佐々木蒼人＞東雲

ズキズキと主張する頭痛と、胃の辺りのもやもやとした吐き気に起こされて目を開けると、見たこともない部屋に横たわっていた。
体調不良の時とは違うなんとも言えぬ不快感に身を捩らけると、床にそのまま寝かされていたせいで体の節々が少し痛んだ。

とにかく状況の確認をしなければと思い、上体を起こすと、ゆっくり起き上がったにも関わらず、視界が大きく揺らいだ。

(まずい……)

思わず顔を顰めて膝に突っぷすと改めて自分の体調が最悪なことを確認した。

「あの、大丈夫……？」

ふと声をかけられ、おもむろに顔を上げると心配そうに眉を下げた中学生くらいの顔立ちの青年がこちらを覗き込んでいた。

「あ、はい。あの、ここは……？」

「ごめん。僕にもわからないんだ。ただ、もしかしたら＂青少年心情行動観察実験許可法＂の被験体にされたかもしれない」

起こしてくれた赤メッシュの男の子に状況を聞くと彼も明確には把握できていないようだった。

「そうですか……じゃあ、俺は周辺の物を少し探ってみます」

そう言って立ち上がろうとする俺に青年はすぐさま静止の声をかけた。

「あ、待って。君、まだ顔色が良くないから少し休んでた方が良いよ」

そう言う彼も心なしか顔色が悪いように感じたので、一声かけると「僕は大丈夫だよ」と何でもないように答えた。本人が大丈夫だというのにしつこく言及するのも野暮かと思い口を噤んでいると、

「それじゃあ、僕は他の人を起こすのを手伝ってくるよ」

と踵を返して行った。
俺には彼の気遣いを無下する選択肢もなく、そのまま目を瞑って膝に突っぷした。

・

合作者の一人東雲と申します。

佐々木蒼人(ささきあおと)
病弱体質で、何事にも少し悲観的な面がある謙虚な雰囲気を纏った高校一年生。体調が芳しくなくても無理しちゃうタイプ。

(イメージ画像)