「暗殺者」から「護る側」へと

第２３話 ページ31

「･･･ぅう。･･･あれ？ここは･･･？」

目を覚ましたのは窓のある部屋の中でだった。

「やぁ。目が覚めたかい？」

「！ジン!」

勢いよく立ち上がり、風蒼を引き抜く。

･･･ない。

寝てたから盗られたか･･･？

苦手な武道で取り返す。

「あ、お嬢さんの探し物はコレだよな」

風蒼を持って言う。

「そうだ。早く手を離せ。さもないと縊り殺すぞ」

「じゃあ、ちょっと着いて来てくれる？」

「何を言っているんだ?おまえ達のようなヤツに着いていくほど馬鹿じゃない。

　さっさと渡してもらおうか」

コイツは侮れない。

だから、押し切るしかない。

「早く渡せと言っているんだ」

「･･･別に、お嬢さんを殺す訳じゃないんだ。1つ、提案がある」

「提案･･･？」

提案だと？馬鹿なのか?

「敵の提案は『死』に等しい。誰が聞くか」

「はぁ･･･。どうしようか」

ひとまず、乗り切ったところか･･･。

このまま行けば大丈夫。

「よし。お嬢さん話だ。怪しいと思ったら殺していい。大丈夫ならそのまま。

　そういう選択はできるだろ」

そう言うと、ドアを開けた。

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