「暗殺者」から「護る側」へと

第２５話 ページ33

「･･･サナエちゃん。どうしてここに来たか、教えてくれる?」

ジンが問う。

「知らん。歩いていたらここに迷い込んだだけだ」

「帰り道は?」

「知らん」

全部知らない。

知らないよ･･･。

「ほかの人はいないの?」

「いない」

「何かやってた?仕事とか習い事とか」

「･･･なにも」

情けない声になった。畜生。

「いい加減にしてくれる?!」

長髪の女･･･確かコナミと呼ばれていたな。そいつが叫んだ。

「ジン!アンタなんで連れて来たワケ?!こんな何も言わないヤツ、ほっとけばいいじゃない!!」

『サナエがナイトレイドに入ったっていう噂を耳にしたときは驚きました』

『里の皆は気づかないふりをしてくれるって言ってくれたのは嬉しかった』

『サナエは私の友達だもの。アタシもナイトレイドに入ろうかな?』

唐突に流れてきたユキナの日記の中身。

里、皆から愛されていると実感できた。

こんなヤツでも、心から愛してくれた。

「･･･コナミ。私が色々話してやろう。それでいいか?」

「え、あ、いいわよ･･･?」

呆気に取られたコナミが生半可な返事をする。

「ありがとう」

気持ちを落ち着かせ、１から話し始めた。

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