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「──────はぁ、」


疲れた。離れた指先を合図に全身の力が抜ける。私がこんなに疲弊しきってるのにも関わらず、侑司くんはピンピンしている、なんでだろう。なんでこんなに体力お化けなんだろう、と考えてみるけど、普段から鍛えているから。それくらいしか答えは出てこない。

疲れきっている私を見てにこにこしている侑司くんは、やっぱりお化けなんだろう。


「もう疲れたん?」


「当たり前、でしょ……」


「ふーん、」



そっか、もう一回は無理そうやな、と言わんばかりの顔で私を見つめて、ときどき頭を優しく撫でる。まるで赤子をあやすような動きだけど、それがとても心地よくて─────思わず目を瞑ると待ってましたと言わんばかりにゆっくりと唇を重ねてくる。向こうの思い通りにされてるみたいで腑に落ちないところもあるけど、この空間が好きだから言えない。


「可愛い」


なにそれ。ずるい、急にそんなのはずるい。せっかく眠ろうとしてたのに、
自分でも顔が熱くなっていくのがわかって慌てて枕に顔を埋める。こんなの見られちゃたまんない、また何か言われちゃうんだ、いいようにされちゃうから───────


「可愛く、ないよ」


「可愛ええよ」


「違う」


「ううん」


永遠に言葉の応酬である。どれだけ否定しても侑司くんは褒めちぎることを止めようとはしないし、むしろそうすることで私が恥ずかしがっているのを楽しんでいる。うん、そうだ、確実に楽しんでいる。見上げたらニッコニコの顔。


「可愛いよ、世界一」


世界一……そんな訳、ないでしょ。
でもね、なんか否定できなかった。侑司くんが世界一って言ってくれるなら、そんなに嬉しいことはなくて。侑司くんの中で私は世界で1番なんだなって、なんか嬉しくて。
にやけちゃったの、バレちゃうじゃん。

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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時

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