ゆらり夏の日 (ページ29)

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朝起きると、隣に侑司くんがいる。
何度目だろうか、また2人で朝を迎えるのは。

でも今日はいつもとは違う朝だ。

「おはよ」

「おはようございます」

「敬語取れてへんし……身体、痛くない？」

「痛い」

さりげなく私の体調を気遣ってくれるところとか、本当にいい男だなあと思う。昨日あったことのせいか、いつもよりかっこよく見えてくる。まぁいつもかっこいいんですけれど。
もちろん体の節々はバッキバキに痛くて、それでも侑司くんが心配してくれただけでお釣りが出るようなもんだから我慢のできる範囲である。むしろ幸せな痛みじゃないか。

「ほんまはもう1回くらいしたかったんやけどなぁ」

「化け物ですか？」

「プロ野球選手なんてこんなもんや」

「体力お化けですねほんまえぐい」

「でもAが辛くなったら嫌やからな」

──────────それは……ずるい。

あんなにしておいてもう一回はない。いやでも今回は侑司くんが気を遣ってくれたし、今度は私が気遣いする番では？というか気の遣い方がいちいち優しくて、私の心を抉られるというか……持ってかれる。

「じゃあ次は侑司くんの好きなようにしてください」

「え待って？それは可愛い」

「はい？」

「好きなようにしてええねんな？」

「……はい」

「お前、自分が今どんな格好してるかわかってる？」

そりゃあまぁね、昨日の夜があった訳ですから。
服を纏ってるわけなんてないじゃないですか、うん。一糸纏わぬ姿のまま侑司くんの隣に寝転がっていたら、どんな未来になるかはもう見えている筈で。

「可愛いよA」

「ちょっと侑司くんまさか」

「1回だけ……いや、ほんまに先っちょだけでええから？な？」

「信じられないんですけどちょっと！」

具合悪くなったとか言って、仕事、休もう。