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「ユーリ、その心、忘れないように」
そう言って、女の子は僕に粉をふりかけた。
お話通りに進めば、僕はきっと、満月が出てる間しか動けない。
夜のうちに動いておかないと。
女の子、いつの間にかいないし。ほんとにいつの間にかいなくなるんだ。おとぎ話感増すじゃん。
、そーいえばどうやって帰るんだろ。
山田さんに乗せられて、勢いで来ちゃったけど、僕帰り方知らない。この世界の人とは話せないだろうし、女の子は出てくるの不定期だろうし、多分僕から話せないだろうし。でもみんな帰れてるもんな、帰り方知ってるんだろうな。
結局は聞かなかった僕が悪いんだ。
まあ、帰れなくても、僕が僕じゃなくなればそれでいいや。
半ば諦めて、満月が見える窓に近づいた時だった。
「ユーリ、?お前、、魂が宿ったのか?」
っ、、おじいさんだ。
こーゆーのって、見つかったら即終了だよね、
僕はダメ人間だからかな。悪い子だからかな。
、、、人形でいた方がいいから、かな。
そうやって考えて、考え続けて、動ける体にしてもらったのに、全然動けない僕を、おじいさんは優しく、包み込んでくれた。
「ユーリ、ありがとう。ここに来てくれて、ありがとう」
おじいさんが、涙を流しながらそう言うから、
僕の目からも止めどなく涙が溢れてきた。
操り人形のはずの僕から。
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作者名:光音 | 作成日時:2021年9月1日 22時