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あの人は、僕が初めてお付き合いというものを経験した人だった。
家族はごく普通にいたが、両親は共働きで何かと姉の面倒をよく見ていて、僕に"愛情"をくれたわけじゃない。僕も別にいらないと思っていた。
普通の高校を卒業して、やりたいこともないから大学に通い始めて、身体は動かしておきたくて2年の時に創設された体操サークルに入ったら、そこにあの人はいた。
"知念くんは可愛いね"
その言葉がどういう意味で僕に投げられたかなんて当時の僕は知らず、初めて受ける"愛情"みたいなものに、僕は舞い上がってたんだ。
僕が初めて付き合ったのは、2個上の男の先輩だった。
性別なんて、どうでもいいと思った。ただ、あの人が僕のことを"可愛い"と言ってくれて、僕に愛情を注いでくれるから。
美味しいご飯をご馳走してもらったり、車でお出かけしたり、そこそこ、いや、その時は人生で1番楽しいと思ってた。
でも、あの人に合鍵をもらって、あの人の家に行くようになってから、あの人は別人のようにおかしくなった。
"可愛いね"は"いい子だね"に。
"悪い子"には"暴力"を。
気づけば僕は痣だらけ。あの人の家からまともに出してもらえないまま1ヶ月が経っていた。
不幸なことに、あの人は外面はとてもいい。
同学年からはカリスマと言われ、大学に通いながらも自分の会社を設立しようとしていた。
部下の人は、僕のことも、あの人の裏の顔もみんな知っている。そして、僕をあの人と同様狂気な目で見てくる。
どこにも逃げ場がなくて、毎日あの人の言いなり。
ああ、僕は操り人形なのかな。
僕は違うって言いたいのに。
仮想世界も、僕を操り人形にするの、?
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作者名:光音 | 作成日時:2021年9月1日 22時