最後の夜 ページ2
「私はずっと翔が好き
なのに翔は待っててって
言ってくれない
翔こそもう用済みなんでしょ
私のこと」
悔しくて悲しくて
ついつい発してしまった言葉
翔
「ごめん そんなつもりじゃなくて
俺だって待ってて欲しい
けど離れてしまったら
いつって約束出来ないのに
待っててなんていうの無責任だろ」
わかる 翔の優しさだってわかるよ
けど私は………
「それでも待っててっていって欲しい」
横に座る翔に抱きついて
子供のようにねだった
翔
「必ず迎えにくるから
俺の事愛し続けて欲しい
俺を待ってろ いつまでも」
聞きたかった言葉に嬉しくて
涙がポロポロ落ちてくる
その涙を翔が口づけでぬぐってくれて
そのままベッドへ
全身に降り注ぐキスも
吐息も汗も
指も舌も何もかも
これが最後かもしれない
そう思って私の記憶に焼き付けた
翔からはきだされるものも受け止め
全身で翔を感じた
3時間なんてあっという間
泊まることの出来ない私達
一緒に朝日を迎えられない私達
表面上全てなかったことに
するかのようにシャワーを浴びて
ホテルを出てタクシー乗り場のある
国道までしっかりと手を繋いで
ゆっくりと歩いた
もう少しで国道っていうところで
足を止めて
自然と抱き合ってキスをして
翔
「ラインはするから
たまに電話もするし
………………………
いってくるわ」
さよならとは言わない翔
待ってていいって事だよね
「うん 気を付けてね」
その言葉だけ伝えた
タクシーの中でひとしきり泣いて
家の明かりを見ても
まだ気持ちが切り替え出来ずにいた
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作者名：ゆふり232425 | 作成日時：2017年4月24日 8時
