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大事な人-雅紀 ページ10
絶対安静
ホントに安静なんだよ
トイレに行くにも車椅子
あとはベッドの上から動くことを
許させないんだ
それでもさ Aは頑張ってる
お腹の赤ちゃんに
「大丈夫だからね
ママと頑張ろうね」
って言い聞かせてる
そりゃ俺も同じだよ
「ベビちゃーん 頑張ろうね
パパとママも応援してるよ」
でもさ 神様って意地悪だよね
こんなに頑張ったのに
こんなにお願いしたのに
俺達に抱かれることなく
先にお星さまになっちゃったんだ
A
「雅紀ごめんね 私が産みたくないなんて
最初言ってたからこんなことに
本当にごめんね」
ずっとそういって自分を責めてるんだ
「A そんなことないって
先生もいってただろ 仕方のない
事だったって」
Aのせいなかんかじゃないよ
確かに産むことに最初は消極的だったけど
でもさ産むって決めてから
食事にも気をつけたり
二人で赤ちゃんの話したり
二人で楽しみにしてたんだもん
「A 自分を責めないでよ
神様がさもしかしたらさ
あの二人にはまだ速いかなーって
思い直したのかもしれないし
赤ちゃん大事な忘れ物とりに
帰っちゃったのかもしれないよ
またさ俺達のとこにくる日まで
待ってようよ」
俺はさ赤ちゃん欲しいけど
でもさAがいれば大丈夫だから
俺の一番大事な人はAだからさ
赤ちゃんはまたそのうちに
会えるって信じようよ
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作者名：ゆふり232425 | 作成日時：2017年1月16日 8時
