【ⅾ!】あなたの人生を歩みます。Ⅰ (ページ19)

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かなり警戒をしながら階段を１つ１つ下っていく。

降りれば降りるほど
生臭い、血の匂いがしてきた。

最悪の結果を想像しながら下に降り切ると
そこには洞窟のような洞穴が広がっていた。

「(なんだこのお屋敷に不釣り合いな地下洞窟？は‥･)」

さっきまでの綺麗な部屋とは一変、そこは村のはずれにでもありそうな暗くて先のよく見えない洞窟だった。幸い道は１つしかなかったので背後にも気を付けながら少しずつ進んでいく。

だんだんと不穏な空気を感じながら行き着いた先は
牢獄がいくつもならんでいるところだった。

おそらくこの道はあとから作られた。行き着いた先の壁が破壊されたような形になっていたからである。そしてその壁の素材はエレノア家の屋敷の素材とは異なる漆黒のレンガのような色をしていた。

そう、ルミエール国王の住む城の素材と一緒なのだ。

まさかとは思うがエレノア家のお嬢様の部屋と思われる場所と城の牢獄が繋がっているなんて、そんなことだれが予想しただろうか？

「(エレノア家は一番国王に近い存在だったはず。そんなエレノア家で一体なにが？？)」

ゾムの頭の中では疑問が絶えない。
考えすぎて頭が痛いくらいだ。

牢獄は見渡す限り空で誰かが入っている様子はない。
あの血は一体誰の血だったんだろうか？

警戒しながら進んでいくとかすかに人の気配の残る牢を見つけた。

中には誰もいないが、血だらけのワンピースのようなものだけ脱ぎ捨てられており、その血がまだ固まっていないことからそこまで時間が経っていないことが想像できる。

「(これはエレノア家のお屋敷ではなく城を探索するべきやな。)」

冷静にその考えに行き着いたゾムは地下牢から城のダクトへと移動し探索を始めた。