【ⅾ!】あなたの人生を歩みます。Ⅰ (ページ18)

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ルミエール国。
そこは光の国と呼ばれ、花で溢れ活気ある明るい国だった。

だった･･･。

ある日突然チーノが潜入任務から戻ってきて
それとほぼ入れ替わりで俺がルミエール国に送られた。
グルッペン直々の命令だった。

何を急いでいるんやと思っていたが
俺が入国して1週間もたたないうちにルミエール国は鎖国した。

事実上、俺はルミエール国から出られなくなった。

出国できない外国の者は俺以外にもたくさんいるようで関所には
多くの人が戸惑いに溢れていた。

まずはこの国の人に紛れるために夜になるまで待ち、ある1つのお屋敷に身を隠しながらむかった。

城のすぐ近く、なんなら城の裏の道と繋がっている白くて大きいお屋敷が１つ存在する。それが今回の目当ての場所だ。

「「エレノア家」」

何を隠そうチーノがこの間まで潜入していたところである。
なぜグルッペンがここまで固執するのかいまいち掴めていない俺は少し乗り気ではなかったもののお屋敷の屋根裏に忍び込み中の様子をうかがった。

護衛はお屋敷の外に数名いるのみで屋敷内は人気がなく不気味なくらいだ。メイドが数名キッチンで料理をしたり掃除をしているくらいで両手で数えられるほどのメイドしかいない。

そうメイドしかいないのだ。

王族の中でも由緒あるエレノア家ともあろう家の中で護衛を置かないなんてことあるんか？そんなことして攻め込まれて家でも焼かれたらどうするんや。

てか、

チーノが今まで必死に守っていたお姫様はどうなったんや？？

疑問が尽きない中、屋敷の中を探検しているととても綺麗にされた白を基調としたいかにもお姫様の部屋ですよ、みたいなところを見つけた。

「(ここに姫さんいるんちゃう･･･？)」

ダクトから様子を伺うもそもそも人の気配が全くしない。

ゾムともあろう人間が気配を察知できない人なんてほんの一握りしかいない。ましてや王族の普通の女の子にそんなことができるわけがないだろう。

じゃあ一体どこにいった･･･？

部屋に誰もいないことを確認して地面に降りると

かすかに血の匂いを感じた。

「(おいおい、嘘だろ･･･)」

その匂いがする扉、
これはクローゼットだろうか？

そこを開けると、

そこには洋服なんて一枚もなく
ただ地下に繋がる階段があった。

匂いの正体である

血の跡が

下へと

続いていた。