見えない影 ページ14
tn side______
倒れたA様は俺とショッピ君で運ぶこととなり、
オスマンと大先生はそばにいたF国の2人から話を聞くことになった。
A様の両親にはさんざんお礼を言われたが、大したことはしていないと伝えておいた。
呼吸が落ち着いたA様をベッドに寝かせ、
一緒についてきたショッピ君と治療を終えたチーノと合流する。
tn「なにがあったんや。」
他にだれもいないことを確認してチーノにそう問う。
ci「ここのメイドの制服着た子に男に言い寄られてるから助けてほしいって泣きつかれてな。最初は他の護衛に連絡しようとしたんだが、放してもらえなくて。結局少し喧嘩になって殴られただけで、時間を稼ぐために引き留められたんだと思う。」
shp「そのメイドは本当にここで働いている人だったのか？」
ci「それが、旦那様にこのことを伝えてメイドを全員集めてもらったけれどそんなこと言った人は1人もおらんかったし、俺も見たことある人はおらんかった。」
tn「完全に嵌められたってわけか。」
ci「くそ･･･っ。」
shp「。そんな責めるな。」
悔しそうにこぶしを握りしめるチーノをなだめるショッピくん。
チーノが本当にただ時間稼ぎの為に襲われたならまだよいほうだ。これが我々国の幹部だと知っていながらの行動であればまた話は大きく変わってくる。
＿＿＿＿
＿＿
その後、チーノとショッピ君と別れ、話を聞き終えたオスマンと大先生と合流した。
事件が起きたため、パーティは終了となり大広間は静寂と化していた。
tn「どうやったん。」
os「F国の王子は全く無関係だった。」
tn「じゃあ幹部のほうが？」
os「それがな、幹部の方もただ預かった水をA様に渡しただけなんだ。」
tn「はぁ？絶対嘘やろ」
ut「残念ながら廊下の監視カメラにはその幹部のサラってやつに水のコップを渡すタキシードを着た男が写ってるんよ…。」
tn「どういうこと？チーノが嘘をついてるってこと？」
os「正直なんとも言えない。チーノが声をかけられたっていうメイドも見つからないし、チーノを殴った不審な男も見つからない。」
tn「チーノがやったっていう決定的な証拠もないけれど、チーノの無実を証明するものもないってことになってしまったのか・・・」
ut「そういうこと。嵌められたな、完全に。」
苦い顔をする大先生。
さて、これからどうするべきか。
A様を陥れたいだけなのか、
我々国まで巻き込むつもりなのか。
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作者名：Loulou | 作成日時：2022年9月22日 21時
