生きる方法 ページ2
とてつもなく重たい瞼を開けると
そこは真っ白な世界だった。
＿＿＿やっぱりしんじゃったのか。
そう感じた。
どうしたら良いかわからず
ただ前に進んでいると
ぼやけて人影らしいものが見えてきた。
少しずつ近づいてみると
そこには座り込んで泣いている女性がいた。
「あの・・・大丈夫ですか？？」
私がそう声をかければゆっくりとその子は振り返った。
その子は息をのむくらい美しく、女の私でも惚れてしまいそうなほどだった。
？「っ･･･すみませんっ･･･お見苦しいところをお見せしました…。」
なぜ持っていたかはわからないがハンカチを彼女に差し出すと
不思議そうな顔をしながらもその布で綺麗な目を吹いた。
彼女の髪は桜のようなローズクォーツ色、瞳はブルーとパープルの中間のようなセレニティ色をしていた。見た目は私よりも年下のように見える。
耳には赤い薔薇のピアスをつけていて、色白の彼女がつけると引き立って見える。
彼女が落ち着くまで待っていると気が付けばそばに
人のようなものがいることに気が付いた。
？「二人とも落ち着いたかい？」
その声は男性で神かなんかだろうか。
「あなたは誰ですか？ここは天国かなんかですか？」
神？「2人は違う世界に生きていて、2人とも違う形で死にかけているんだ。」
突然の言葉に驚きが隠せない私と対照的に女の子は何となく状況を飲み込んでいるような気がした。
神？「2人の体はお互い違う形で衝撃を受けていて、己の魂が体に戻れない状態なんだ。逆を言ってしまえば、違う魂なら体に戻ることができる。すなわち生きられるんだ。」
突然のことに嬉しい気持ちと複雑な気持ちがいりまじった。
魂は生きているけど自分の体に戻れない。
自分の体に戻ることはできないけれど、この子の魂で私の体は生きられるし
私もこの子の体で生きられる。
残された家族や愛する人のことを考えるならば、
この子に私として生きてもらうほうが良いのかもしれない。
人生24年目となれば
一見冷徹な考えでもすんなりと結論を受け入れられるものだ。
いまは。
？「私A・エレノアといいます。あなたは？」
「花園Aです。」
こんな見た目も住んでいる世界線も違うというのに同じ名前なんてことあるのか。
仕組まれた運命なのか、不思議な気持ちになった。
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A・エレノア(20)
どこかの国のお嬢様？
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作者名：Loulou | 作成日時：2022年9月22日 21時
