その少女、呑気 ページ5
tn sid
「おーおー、早速荒れとるやんけA！」
シッマが笑いながら先程のAの呟きを見ている。
全く、笑い事やないっちゅうんに、此奴は！
「こうなるかも知れんから教えなかったしやらせとらんかったんによぉ〜！」
当の本人はそれを見ながらわー、リプライいっぱい来てるー、なんて呑気に言っている。
我が妹ながらあまりの危機感の無さに頭を抱える。
「お前どういう状況かわかっとんのか…」
「ええー？よくわからないけど賛否両論になっとるんは解るよぉ」
へらへらと笑っている妹に、つい顔を顰める。
俺はおまえを傷付けたくないねん、せやから教えんかったのに。
そんなら俺の心中を察してか、ふわりと笑ってAは言った。
「応援してくれとる人もおるし、なんか嬉しいなあ。皆人気やから文句言うんだろうし、嬉しいの方が強いよ、お兄ちゃん。」
驚いて目を丸くする俺を見てまたゾムたちが笑う。
「いやあAには適わんなぁ、トントン？」
「ほんまやな！」
あっはっはっはっは、とうるさく笑うシッマを軽く叩いて照れ隠しをする。
そして話題をすり替えるべくAに問いかける。
「なあ、立ち絵とかアイコンもう用意されとるって事は割りと前から誘われとったんか？」
「そうなんよー！あのな、2ヶ月前くらいからグルちゃんに誘われてん、せやけどピンと来んくてー。で、1ヶ月前くらいにゾムさんに誘われたから参加させて貰ったんよ！」
ペラペラと喋る妹と、あーあ、という顔をしている2人。
今度会ったらグルさんしばいとこ。
「はー、なるほどなぁ？まあええけど、学校とかに支障が出んようにな。」
「うん！あ、動画撮る時に名前呼ばんようにしてね！」
「妹のことユザネで呼ぶんはなんか違和感やな。」
「まあそやけどー」
面白そうに笑う此奴を不思議そうに見ていると、此方を見てにっこりと笑ってAが口を開く。
「これからよろしくね、トントンお兄ちゃん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杠 | 作成日時：2019年1月24日 17時
