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目が覚めたら、薔薇の香りに包まれていた。
篤人の腕にも包まれていた。
やっと一緒に朝を迎えられた。
身体を起こして、何か着るものを探そうと、篤人に負けない位に絡まった髪を手櫛で直そうとしたら、首に掛けられている何かに触れた。
「あ、篤人？」
「んー？」
「起きて！ ねえ、起きて！」
「…なに？」
ああ、機嫌悪そうだ。
でも！ 篤人を揺する。
「首に何か付いてる！」
「ああ、誕生日のプレゼント」
篤人が私に笑顔を向ける。
薔薇だけで充分だったのに。
「…なんだっけ、アクア何とか。 てか、泣くな！ ほら、こっち向いて見せてみ？」
「アクアマリン？」
「そう、それ。…A、似合ってるし、すげーいい眺め」
篤人が肘を付いた手に頭を乗せて私を見上げる。
あっ。私、裸だ。
手で胸を隠すと、それを篤人は阻止してきて、
「隠すなよ、俺のなんだから」
と言って、私の手を握る。
そして、次はここにでっかいダイヤ、買ってやるから、と右手の薬指を撫でた。
「あれ、逆だっけ？ どっち？」
それって・・・。
「…ものすごく遠距離になるのよ？」
「俺は構わない。ってか、逆境の方が燃えるし」
「完全アウェイだし？」
「でもさみしくて泣いちゃうかもな、俺」
篤人はいたずらっ子のように笑った。
昨日誕生日で、もう今日は何でもない日のはずなのに、篤人の寝癖の笑顔が私を変えて行く。
篤人がさみしくて泣いちゃうなら、私は強くなろう。
私はもっと強く、戦える人になろう。
さみしさを知った私は、きっとそれが出来る。
頭の中で、Lover′s concertoが聴こえる。
篤人が私のイメージだと言った曲が聴こえる。
【今日から永遠に私はあなたのもの
ただ優しく私を愛してくれれば
私はあなたに全てをあげる】
私は、篤人と未来を手に入れたのだろうか。
彼に聞いてもいいけれど、きっと、「知らね」って言うんでしょう？
「篤人、大好き」
篤人は照れて笑った。
「知ってるよ、そんなこと」
Ende
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
