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食器の後片付けが終わると、やっぱり篤人はソファーで眠ってしまっていた。
疲れたよね？
1ヶ月振りに試合に出て、身体だけじゃなく、頭も疲れているのだろう。
すぐ脇に座り、篤人の髪を撫でる。
「篤人、お風呂は？」
「…ぅん、シャワー済ませて来たからいい」
「じゃあ、ベッドで寝なさい。また、風邪引くよ」
急にガバッと起きたと思ったら、私の顔を見て、
「Aも行こ？」
「私、お風呂入るもん」
「じゃあ先行って待ってるから早く来てね」
洗面所で、浴槽にお湯を溜めるか、シャワーで済ますか迷っていたら、篤人が入って来た。
「ごめん、歯みがきさせて？」
「どうぞ」
私は、浴室の中に逃げ込む。
もうシャワーでいいや。
篤人が「早くおいでね〜」と言って出て行った。
お風呂を出て、寝室へ行くと、篤人の規則正しい寝息が聞こえた。
寝ちゃってる。
なんだ・・・、待ってるからとか言っといて。
・・・別に、その、したかったわけじゃない。
ただ、ひと月振りにやっと会えたのに、篤人はまだ1度も私に触れていない。
帰って来たら、とりあえずぎゅってしてくれると思ってたのに。
篤人に抱きしめてもらいたかっただけなのに。
疲れているのは解るけど、篤人は私に会えても別にそんなに嬉しいわけじゃないのかも知れないと思った。
思ってしまった。
クローゼットから毛布を出して寝室を出た。
リビングで、ソファーの上に膝を抱えて毛布にすっぽりとくるまる。
私も意固地だな、と思う。
なにもスルッとベッドに入ればいいものを。
そうしたら、きっと篤人は腕を伸ばしてくれる。
でも、出来なかった。
今まで、考えないようにしていた事が、一気に頭の中に吹き出したから。
多分、篤人は私が彼を思うほどには、私を好きではないのだろう。
私がドイツにいる間だけの付き会いと、割り切っているのかも知れない。
なんだ、そうか。
でもそれが現実だ。
私だって、そんなこと解ってた。
解ってて、それでも篤人を好きになった。
声を出さないように泣いた。
さっきまでは、あんなに楽しかったのにな。
こんなに好きなのにな。
「こんなとこでなにしてんの？」
篤人の声が暗いリビングに響いて、ソファーの背もたれ越しに彼の気配がした。
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
