30 atsuto ページ30
Aが、久しぶりだからとか、昔の事を言ったりするから、ちょっと、俺は、少しだけムカついた。
もしかしたら、これはヤキモチ？
ムカついたから、Aにお仕置きしてやろうと思う。
この間Aが言ってたセリフをそっくり返して、そして、Aの身体をこっちに向けてキスをする。
舌の先で突っついて、Aの唇が少し開いたところで、突っついていたそれを滑り込ませる。
Aが、小さく声を漏らす。
抱きしめると、スウェットのAの身体は温かかった。
つか、スウェットって？
そりゃ、着るようにって、ここに置いたのは俺だけど、ちょっとだけ、裸にバスタオルを期待してたのに。
色気もなんもあったもんじゃねえじゃん。
全く。
でもぶかぶかの俺のスウェットを着ているAは、もうそれが俺に降参しているかのようで、可愛くて、嬉しかった。
さっきまで泣いていたから、ちょっと心配だったけど、もう大丈夫か？
俺はAの腕を自分の首に回して、彼女の身体を横に抱き上げた。
「最初だからお姫様抱っこで連れてってあげる」
この間の、あの抱え方は、間違ってた。
あれは子供にする抱き方だったわ。
「なんか照れるっ」
「篤人、耳が真っ赤・・・」
「うるさいよ」
Aが手を伸ばしてバスルームの明かりを消すと、俺は彼女を抱き上げたまま廊下に出て、寝室のドアの前で止まる。
「ほら、ドア開けて？」
この期に及んでまだAはためらっている。
いいかげん、観念しなさい。
「重いから早くして！俺、ボールより重いもの、持ったことないんだから」
「ひどすぎる」
Aが笑った。
大丈夫。
怖くないよ。
久しぶりだからだなんて、俺も一緒だから、怖くないよ。
ゆっくりドアノブを廻すAの、脚がドアにあたらないように身体をひねって中へ入る。
扉は開け放たれた。
ふたりの扉は、開け放たれた。
大丈夫だから。
ただ俺に掴まってればいいから。
そして、Aと俺の、深く
長い夜が始まる。
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
