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「なんで泣いてるの？」
「ごめん…」
「…泣くほど嫌？」
彼の顔を見る事が出来ない。
何故なら、篤人も泣きそうな声をしていたから。
「違う。そうじゃないの」
私はそれを、それだけを言うのが精一杯だった。
だから、篤人が私をその裸の胸に抱きしめて、優しく私の名前を呼んで、愛してる、と言った時、もう私の胸は張り裂けそうだった。
私は全身で篤人を求めていた。
「A、愛してる」
「…篤人…」
「…Aが今何を考えてるか、なんとなく解るよ」
綺麗な指で私の涙を拭う。
「なんか、色々不安になっちゃった？」
「…うん、…私でいいのかなとか、でも私ね、もうどうしようもない位に、篤人が好きなの…」
私の頬に伝わる、篤人の少し早い鼓動が私を落ち着かせる。
腕を回した背中の温かさが私を落ち着かせる。
「俺も、どうしようもないない位にAが好きだよ、Aが欲しくてたまらない」
こんなこと言われたら、もう無理だ。
揺れていた私の心は、一気に篤人へ振り切れた。
もういい、もう自分の気持ちだけに正直になろう。
「でも、Aが嫌なら今日はなにもしない。だから泣かないで？」
「やだ」
私も。
「…私も、篤人が欲しい」
やっと見上げた篤人の顔は、てっきりいつもの悪い顔だと思ったら、違った。
見たこともないような、優しい顔だった。
「…あげるよ、いくらでも」
そう言って、私の涙を唇で吸いとる。
「ほら、気が変わらないうちにAもお風呂に入っておいで(笑)」
「風邪引くから何か着てね」
「どうせ、脱ぐけど？」
あ、いつもの悪い顔になってる。
私は、バスルームに逃げ込んだ。
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
