24 atsuto ページ24
ドアを開ける前に、Aにちゃんと口紅が拭けているかを聞いた。
「大丈夫よ。でも結構似合ってた」だとさ。ふざけんなって。
中に入ると、絢子さんが玄関までやって来て、
「おかえりー」と、出迎えてくれた。
Aと自己紹介を交わして、並んで立ってた俺たちを見ながら、美男美女ね〜、とか言うから、
俺の、「美男じゃねえし」と、Aの「美女じゃないです」が被ってしまって、3人で笑った。
テーブルには、もう晩ごはんが出来ていて、Aがしきりに感心している。
「すごい！ 絢子さん、すごいです！」
「そんな事ないない。Aちゃんだって、出来るわよ」
「いや、無理です!」
きっぱり言い切るAがおかしくて、俺はソファーで爆笑。
Aににらまれる。
「Aちゃんはビール党って聞いてので、おつまみを少し作ったから」
「…え、なんか、すみません…」
「篤人君にはすぐご飯を出してあげて？」
そう言いながら、絢子さんはエプロンを外した。そしてそれをAの首に掛けて、後ろで紐を結んだ。
「…絢子さん、帰っちゃうんですか？」
「もちろん。ふたりの邪魔しちゃ悪いから」
「邪魔だなんて…」
「だから悪いけど、後片付けはお願いね？」
「あ、それはもちろん」
絢子さんは、パパっと帰る支度を済ませると、
「篤人君、試合がんばって、Aちゃん、今度ゆっくりね」と、言って帰って行った。
絢子さんがあんまりにもバタバタと帰って行ったのを、Aは少し気にしているようなので、いつもはもっと早く帰ってるのを、今日は俺たちが来るまで待ってもらっちゃったからだと説明した。
「ねえ、A、ちょっとこっち来て？」
「ん？」
「ここ立って？」
俺の前に立たせる。
今日も仕事だったAは、いつものようにシンプルでコンサバティブな格好。
それに、絢子さんの可愛らしい花柄のエプロンが、なんていうか、
「…A、エプロン似合わねえな」
「…！ 失礼ね！ …でも私もそう思う…」
似合わないエプロン姿で苦笑いのAは、でもやっぱり綺麗で、俺はもう一度口紅を取ってしまいたいと思った。
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
