17 atsuto ページ17
Aが洗面所で手を洗いながら、
「晩ごはんはー？」と、聞いてきた。
「あー、悪い。機内食、食ってきちゃった。」
ヒーターの前から動けなくなっている俺は、今日、カタールから帰って、クラブハウスに停めといた車で、真っ直ぐここへ来たんですよ。
「え？ 今日帰って来たの？」
うんうん。
「え？ 真っ直ぐここへ来たの？」
だから！Aに早く会いたかったの！
なに、この、俺の可愛さ！
「だから今日はジャージじゃないのか」
・・・食いつくところはそこですか。
「でもAがめし、まだなら」どこか食べに、と言いかけたら、
「いいよ、私だけなら適当に済ますから」
外出ないなら着替えてくると言って、奥に引っ込む。
俺も、一旦車に戻って、スーツケースを運んで来た。
ジャージに着替えようとしたら、ハンガーを持ってきたAに止められる。
「なに？」
「スーツ着てるとこ、初めて見たから！ ちょっとよく見せて！」
今日俺はクラブのスーツを着ていた。
「…篤人、かっこいい…」
A、ため息まじりとか、止めろって。
「…バカか？ 」
「ちょっとネクタイ、緩めてみようか？」
「だから、バカじゃねえの？」
「やだ、私、かっこいい篤人の前でこんなかっこだった」
Aは、上下スウェットだった。
そうだね、別にいいけどって、ジャージの俺が言うのもあれか。
つか、なんか無理に明るくしてる？
さっきの玄関先のテンションと違って、Aはちょっと沈んだ感じ。
俺が帰って来て嬉しいって言ったくせに。
俺に向かって走って来たくせに！
俺にオレンジジュースを出して、自分はキッチンで何か作り始めた。
カウンター越しに、覗きこむ。
「料理が苦手なドクターは、どんな晩ごはんを食べんですか？」
「あ、見ないで！」
ビールを飲みながら、ソーセージを茹でていた。
飲みながらって。
そしてすでに、2缶空になってます。
「食べる？」
「うん」
「こっちは？」
ビールを掲げるAに首を振る。
マスタードを添えて、俺の前にソーセージを置くと、Aは自分も同じ物を食べ始める。
「それだけ？」
「うーん、夜はいつもこんな感じ」
ビールを旨そうに飲んで、ため息。
「ちゃんと食わないとダメだって言ってんじゃん」
めっ。
篤人に怒られたー、とか言ってますけど。
この酔っぱらいめがっ。
そしてまた新しい缶を持って来る。
「ふふふ、酔っぱらってきたかも」と、言って自分で脈を測っていた。
なんだそれ。うける。
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馨子(プロフ) - さゆさん» さゆ様、初めまして。ｺﾒﾝﾄありがとうございます。こちらのお話は、半年近く前に一応完結しているのですが、私もたまに、あのふたり、今頃どうしているかなと考えたりします。楽しんで頂けたようで良かったです。今後も宜しくお願い致します。 (2014年5月1日 15時) (
レス) id: f72e0ba777 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - すごく面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。キュンキュンきて、もう終わっちゃったーと残念です。続きが読みたくてたまらないです(笑) (2014年5月1日 14時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - ManAさん» ManA様、いつもありがとうございます。楽しんで頂けて良かったです。嬉しいです。新作も頑張ります！ (2013年12月3日 2時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 最後まですごく楽しく読ませていただきました！本当にｷｭﾝｷｭﾝでした笑笑また新しく更新されるの楽しみにしてます☆ (2013年12月3日 0時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - りくさん» りく様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。最後までお読み頂いた事、感謝致します。今日の試合はご覧になりました？篤人さんが出なかったので少々消化不良気味ですが、勝ったので良しと致しましょう。新作、頑張ります。またのお越しをお待ち致しております。 (2013年11月20日 14時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年10月17日 17時
