とある記憶の欠片から Daiki.arioka (ページ4)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:3,014 hit

4piece ページ4

お葬式が終わって俺といのちゃんは外にでる。

　
「いのちゃん、大丈夫？」

「え～何言ってんの大ちゃん、大丈夫だよ」

葬式中ずっといのちゃんが涙を堪えてるの見てたから、

本当はいのちゃん、泣きたいはず。

「いのちゃん、涙堪えてたのばれてるよ」

「大ちゃん…ぅっ、みんなの前で、泣くのは、だめだと思って…」

いのちゃんの背中をさすった。

いのちゃんは俺に倒れこんでしばらく泣いていた。

俺はそれをしっかりと受け止めて気持ちを落ち着かせてあげる。

こうするから俺らはパーソナルスペースを問われるのか…

でも今回ばかりは仕方ない。

いのちゃんが泣いているのだから。

「ごめんいのちゃん、俺ハンカチ持ってないや」

「なくていいよ、逆にあったら怖いからね？

　あの大ちゃんが!?ってなる笑」

「どういう意味だよ！」

良かった、いのちゃんの涙は止まらないけど

笑顔が戻ってきた。

.

「すみません、ハンカチ貸しましょうか？

　あ、でも、もう笑って…」

.

どこかで会ったことが

あるような、

.

ないような、

.

そんな女性がハンカチを差し出した。