とある記憶の欠片から Daiki.arioka (ページ2)

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2piece ページ2

「起きてよ、大ちゃん」

誰かの声で目が覚めた。

この人は、俺が朝に弱いことを知らないのか。

「誰だよ！起こしたの…」

「俺だよ！大ちゃん…」

「いのちゃん、なんで朝から俺の部屋に来てわざわざ起こしにきたんだよ」

いのちゃん。

俺の友達で、他の友達からは

『お前らのパーソナルスペースどうなってんだよ』

と言われたことがある。

どうやら俺といのちゃんは普段距離が近いらしい

まあ、それは別にどうでもいいや。

「なんか大ちゃんの寝癖が見たくなったからさー」

「理由おかしいでしょ。なんだよ、寝癖が見たいって！」

そう言って自分の頭を触ってみるとまるで…

「大ちゃんの頭ポップコーンみたいだね～おもしろい」

あ、そうそう、俺もそう思った。

「いのちゃんの頭も人のこと言えないくらいおもしろいよ。マッシュだし」

「マッシュ可愛いでしょ」

マッシュもいいけどいのちゃんは本当なにしに来たんだ。

というか、

あの夢は一体何だったんだろう

過去にあんなことがあった記憶は

欠片ほど小さくて曖昧だけど、ある。

でも、顔…顔だけが、ただそれだけが思い出せない。

.

『忘れないよ、君のこと』

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あのとき僕は誰にそう呟いたか。