危険はすぐそばに ページ4
わたしは家の前に立ち尽くしていた。
玄関を開ける勇気が出ない。姉の電話を切ってから何のメッセージも打たずに今に至るので、恐ろしいことこの上ない。
勇気をだして鍵を回し、なるべく音を立てないようにドアを開ける。
廊下の電気も、リビングの電気も消えている。もしかして、姉はいないのだろうか。
鍵を閉め、そっと靴を脱ぐと、廊下の奥がギィと鳴る音がした。身体が瞬時に固まる。
外は夕日が沈んで間もないため、まだ少し明るいが、家の中は完璧な闇。その闇に目を凝らすと、奥の方に薄らと人影が見える。
「ひ、」
「…」
人影がゆっくりとこちらに近づいてくる。怖くなって電気をつけると、目を見開いた姉が立っていて、わたしはくるりと踵を返して、鍵を開ける。ドアをこんなに素早く開けたのは、いや、こんなに素早く動いたのは初めてだった。
後ろの方から走ってくる音が聞こえる。後ろ手でドアを閉めて、それを遮断し、ドアに背中を預けて座り込んだ。
「どうしよどうしよ…」
心臓がドクドクと激しく鳴っている。目を閉じて、荒い息をついていると、急に横から人の気配がして目を開けた。
目の前に、笑みを浮かべた姉が立っていた。
あまりのことに声も出せずに見上げていると、姉がわたしの前にかがんで、呟く。
「覚悟、できてるんだよね」
＊
どこにそんな力があるのかと、抱えあげられながら思う。背もそんなに変わらないのに、簡単に姫抱きされてしまう。
リビングのソファにわたしを投げ出して、馬乗りになると、姉はわたしのマフラーを外し、代わりに頭の上で両腕をまとめられ、マフラーで縛られる。
「あの写真見たときの私の気持ち、分かる？ついていけばよかった、ううん、行かせなかったらよかった」
「い、一緒に写真撮っただけだよ！」
「あんなにくっついて？それにこの服…こんなに肌出して。襲ってくださいって言ってるの？」
胸元に指を這わせながら、姉がわたしの顔を見る。痛苦に歪んだその表情に、目を見開く。
「お姉ちゃん…嫉妬してるの？」
「うん。気が狂いそうなほど嫉妬してる」
「じゃ、じゃあさ、今度一緒に遊びに行こうよ、2人きりで」
「それで私の嫉妬が治まると思ってるの？」
「そ、それは…」
「治まるわけない。Aは私のものなのに。他の誰かが気安く触っていいものじゃないの」
病的な程に烈しい感情の渦が、姉の目の中に渦巻いている。
＊
今回書いてて怖かった
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ぱっちぇ(プロフ) - 更新待っていました！またゆっくりと更新して下さい、楽しみにしています✨ (4月25日 2時) (
レス) @page29 id: 610abc998d (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 朝さん» コメントありがとうございます！いま、実生活が忙しいので、更新もう少し後になるかもです…落ち着いてきたらまた更新するので気長に待っていてください！ (2022年2月16日 16時) (レス) id: bd2a1697dc (このIDを非表示/違反報告)
朝 - 続き待ってます！ (2022年2月15日 22時) (レス) @page28 id: ceafdc132b (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - hosiyomi_jojiさん» 待っていていただいて、こちらこそありがとうございます！頑張りますね！！ (2021年11月14日 17時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
hosiyomi_joji(プロフ) - 待ってました！！終わるまで読むので頑張ってください！面白い作品をありがとうございます〇┓ﾍﾟｺｯ (2021年11月14日 17時) (レス) @page27 id: a5ca2a1311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年4月14日 11時
