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本心 ページ44
「美味しいね、これ」
「だろう？前見つけたんだ。喫茶店で見つけてな、即買いだよ。十キロ位買ったよ」
「凄いね」
ほのおと話して、のんびりしていた。
それでもほのおから話題をふることはなかった。
「…なんかさ、今でも信じられないよ。ゆき姉ちゃんが居ない…って」
「まぁ、なぁ…。しかも殺されたとか」
「うん」
あかりがカップに口をつけた。
「大切な人が亡くなるって、こういうことなんだね」
深く黒いコーヒーにあかりの不安そうな顔が映る。
「ちょっとね、迷ってたんだ。サッチ隊長の時に、私じゃなくても良かったんじゃないかって」
でも、と顔を上げた。
「もし殺されてたら、って考えると動いて良かったって思えるよ」
にこりと笑った顔には嘘がない。
ほのおは、そうか、と相槌を打った。
「これからどこ行くよ？あとしばらくしたら島着くけど」
「あ、じゃあそこに行こうかな」
「なら乗ってきな。部屋は二つある」
「良いの？ありがと、ほのお姉ちゃん」
あかりはへへっと嬉しそうに笑った。
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作者名：剣山おんがく x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 19時
