ティーチ ページ35
オヤジは取り残された敵をなぎ倒していく。
あかりは悔しそうに見つめている。
「行くぞ、あかり」
船員が船へ上るためにあかりを離した。
あかりは動かない。
「処刑台の上に……！」
海軍の驚く声に、あかりが反応した。
「てめぇ……」
「ティーチ……！」
オヤジとあかりの目付きが厳しくなった。
ティーチの回りには凶悪な犯罪者が揃っていた。どうやら海軍の方でもトラブルがあったらしい。
「危ない！船長！」
ティーチの上方に、エンテイが飛びかかっていた。
「許さない！！」
人間になったあかりが息を途切れ途切れさせていう。
「ゆき姉ちゃん、殺したのあんたでしょ」
「んん？あぁ、あかりかぁ。……ゆき？」
「私の姉……ドラムに住んでた」
「あぁ、あのバケモノか。雪崩起こして吹雪吹かせるやつだから手間取ったなぁ」
ティーチは薄笑いを浮かべながらあかりに話す。
あかりの目に、憤怒の色が差した。
「ゆき姉ちゃんは……！」
あかりが泣きそうな声で言う。
そのうち、がくりと膝を折った。
「そうだなぁ。『この国は私が守る！』なぁんて、言っておきながら死んじまったなぁ？
俺の仲間になれば命は助けてやるとは言ったんだけどな、それさえ受け入れていれば俺の女としても最高だったがな」
「誰が……お前なんかの女に……っ！」
あかりはまたエンテイとなって、ティーチを処刑台の上から蹴落とす。
ティーチは下でごろごろと転がる。
「……オヤジ……？」
そして、気がつけばオヤジがいた。
オヤジは能力を使い、ティーチを殴った。
「うぐっ」
ティーチは呻き声をあげ、距離を取る。
「……船長さん」
あかりはオヤジの前へ出た。
「なんでここにいる……あいつらと……」
「嫌です。……ごめんなさい」
あかりはおとを探した。
そして、見つけると、すぐさま呼ぶ。
「ごめんね、お願い」
「いいよ！白ひげ、ごめんね！」
おとは目を紫に光らせて、オヤジを船に運んだ。
船員は驚いている様子だった。
「おと中将！？」
勿論、海軍側もだ。
「ありがと、……アイル」
続け様にアイルをよんだ。
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作者名：剣山おんがく x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 19時
