灼熱の火山 ページ12
ここは火山の麓だ。
また、エンテイの群、”灼熱の火山１群”のテリトリーでもある。
他の所ではテリトリー争いがちょこちょこ起こるらしい。
しかし、火山で暮らす者は少ないが、土地なら広大、という好都合なここで、争いが起こることはない。
「おじいさん、お久しぶりです。」
人の姿で入ってきたあかりに群のエンテイがざわついた。
おじいさん、と呼ばれたエンテイは人に変わった。
「よく帰ったな。丁度良かった、今日、受け継ごう。」
「え……？どういうことですか？」
「そのままである。儂も長くないでな」
「おじいさんなら生きそうですけど……」
「そうでもない。心臓１つのポケモンじゃ」
「そうですか、それでは」
あかりはエンテイの姿になった。
おじいさんもエンテイになった。
おじいさんが「来ないように」と一声吠えて、代々伝わる火山洞窟へ入った。
洞窟に入るのはあかりも初めてだった。
洞窟の壁には、独特な文字で何かが沢山書かれている
奥に行くほど、温度は高くなった
「グァァ。」
(ここだ。)
「グゥ……」
(すごい……)
そこは、大きく開けた作業場だった。
一番奥には噴火の火柱がドォン、ドォンと立っていた。
「グァァ、ガァ。」
(ここが、作業場だ。)
おじいさんは自分のペンダントを器用に外した。
ペンダントには黒く光る小さな砥石がが付いていた。
「グゥウグァァ。ガルルル」
(これは代々伝わるペンダントだ。あかりに預ける)
「……グァ」
(……はい)
あかりは首に掛けた。
「グァァ。」
(ありがとう。)
「グゥ。」
(戻ろうか。)
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作者名：剣山おんがく x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 19時
