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本当は怖くて ページ9

「へー……」

俺とぷんちゃんはうんうん頷く。
「僕もずっとついてあげられるしね。第一の人達も、きっとAくんが一人じゃない時は、手を出さない」
「なんだ、意外と白瀬さんも考えてるんじゃん」

「だからといってあーんは無いわ」

そっぽを向くのは、のっくん。
「A自分の食べる暇なくて体壊したらどうしてくれんねん」
「何のっくんまだへそ曲げてんの?」
「Aくんにあーんしてもらったこと無いんやろ」

によによしてるぷんちゃんに、
てめーらもねぇだろ!!
って口の悪いのっくんがブチ切れる。

「のっくんは、Aが構ってくれるのが減って寂しいだけ。でも、A倒れたら一大事だからね」
二番くんも淡々と言って教室のほうへ向かう。

「なに〜もしや二番くんも嫉妬〜?」
「かわいいやん」
「うっせぇわ」

一年の教室に入ってこようとするぷんちゃんと白瀬さんを、しっしって追い払う二番くん。

二番くんはさっさと教室に入って、
ぷんちゃん達も階段を上っていく。

俺とのっくんは、取り残されたままぼーっと立ってた。
白瀬さんとぷんちゃんの話し声が聞こえなくなったのを確認して、のっくんに小さな声で話しかける。


「…あのさ、Aの話って」
のっくんはちょっと真剣な顔付きになって、頷いた。
「……そこかしこに霧島先輩の手先がいて、常に狙われてる、って思っていいと思う」

…そんな。
「一人にしてられないじゃん…」
「…中等部にいる時は、あおいくんが守ってくれると思う。器用な子やし…でも」

一人でいると危ないからと言って、束縛するのも、かわいそうだよね。

「……」

言葉を途切らせるのっくんは、
ちゃんとそう分かってるけど、でも多分、放っておくことなんてできない。

「…まあ、俺は俺でどうにかする。とみたんは、なるべくAのこと気にかけてあげるぐらいでいいから」
「本当…?俺も心配だよ、怪我でもしたら」

階段から転げ落ちた、だなんて。
Aがのっくんに打ち明けた本当のことを、のっくんは俺にも教えてくれたんだけど、
白瀬さんがそんな目に遭ったなんて、聞いただけでもぞっとするし、

Aだって、本当は怖くて仕方ないはず。


でも、のっくんも同じくらい悩んでると思う。
ひとまず、この話は中断にしようと思った。

「…とにかく!とみたんは終わってへん課題のこと心配した方がええって」
「痛いとこ突かないでよー」

じゃあ、って手を振って笑いながら、階段を上っていくのっくん。
バイト三昧で、何だか疲れたような顔をしていた。

三人なら→←隣のショタコン



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cosmos(プロフ) - 中等部組のところ、もしかしてBlessingの歌詞ですか?笑 いつも楽しく読んでます。更新お疲れ様です!! (2018年11月3日 21時) (レス) id: 8837544c77 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編待ってました〜〜!!!更新楽しみにしてます♪ (2018年10月28日 10時) (レス) id: cf9cb2a359 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年10月28日 5時

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