ただのラブレターなら ページ14
げるたんの劇は、なんとか途中から見れた。
その後は、お待ちかねのミスコン。
ミスターコンは、時短のために特技の発表とかはなくて、
ファッションショーみたいな感じで、ステージを歩いて、アピールをして終わり。
票はその後回収される。
元々一般のお客さんのために、写真だけ貼ったエントリーシートが昇降口のところに貼られていて、
そこから投票できるようになってる。
おれはとみたんに入れた。のっくんは野崎さんに入れたって。
終始大盛り上がりだった。
終わってしまうのも物足りなくて仕方なくて、
でも、何の問題なもくこの日を終えられた自分が誇らしい。
閉会式を終えると、寮への帰路で、あおいくんたちとやっと合流できた。
「Aー！やっと会えたじゃん！」
「あおいくんおつかれ！ミスコン凄かったよ」
「賞とれなかったけどねぇ」
てもあおいくんは元気そう。
二番くんは安定で、賞とってたなぁ。
第二のみんなって、女装してても個性強いから、ほんと凄いよ。
みんなでわいわい騒ぎながら、寮に帰る。
食堂で夕ご飯がてら、ちょっとした打ち上げをして、
酒を飲んでないのに酔いつぶれたような人たちを、
それぞれの保護者がそれぞれの部屋まで送り届けて、その日は終了。
「あー寝よ寝よ、Aシャワー行く？」
「あ、先いいよ！」
「ほんま？ありがとー」
のっくんがバスタオルを手に取って、脱衣所に向かう。
扉がパタンと閉まって、おれはため息をついた。
騒ぎすぎて疲れたし、
トイレの一件も、ちょっと疲れちゃったな。
おれの知らないところで、また第二のみんなが傷付けられるのが、怖くて。
無心で、おれやのっくんの脱ぎ捨てられた服をカゴに入れて、洗濯の準備をする。
おれも疲れたから、明日の朝回そうかな。
のっくんの制服を拾い上げて、ハンガーにかけようとした時、
ズボンのポケットに、何かが入っているのに気付いた。
見ると、折りたたまれた紙。…手紙？
ただのラブレターなら放っておこうと思ったけど、
見知った住所と送り主の名前を見て、
はっとした。
でもその時、脱衣所の扉を開けて、
のっくんが出てきた。
おれは反射的に、その手紙を自分のポケットに突っ込むと、
制服を急いでハンガーにかけて、のっくんに振り向いた。
「のっくん、早いね」
「超時短で洗ってきた。Aも疲れてるやろ？」
のっくんはびしょびしょの髪をタオルで拭く。
「オッケー、じゃあ次行く！」
おれは動揺してるのがバレないように、
すぐに脱衣所に駆け込んで、扉を閉めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cosmos(プロフ) - 中等部組のところ、もしかしてBlessingの歌詞ですか？笑 いつも楽しく読んでます。更新お疲れ様です!! (2018年11月3日 21時) (
レス) id: 8837544c77 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編待ってました〜〜！！！更新楽しみにしてます♪ (2018年10月28日 10時) (レス) id: cf9cb2a359 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2018年10月28日 5時
