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もしかして劇のこと ページ12




「AAー!はい撮るよー!」


売店で買ったタピオカミルクティーを手に、
あおいくんはおれと、上機嫌で自撮りをする。

文化祭当日。
晴天に恵まれた。

お昼すぎ、校門は大勢のお客さんで賑わってて、
例年だとこれがピークらしい。

「あ、そろそろ俺らのステージ発表だ…行かなきゃ」
げるたんがマップを折りたたんでポケットに入れる。
「あ、げるたん行っちゃうの?絶対見に行く!」
「俺も!」
「A、あおい、ありがと。じゃまた!」

いってらっしゃーい、ってみんなが手を振る。
第二は基本みんなで行動してるけど、お店のシフトやら何やらで、今暇なのはとみたん、おれとあおいくん、にーちゃん、野崎さん。
高三組と遊べるのは久しぶりで、ちょっと嬉しい。

「ステージ発表かぁ、俺も中等部んときやったなぁ」
とみたんはそう言いながら、かき氷を口に運ぶ。
「とみたんは何したの?」
「劇!無難にロミジュリだった」
「無難じゃないけどね別に…男子校なのに」

男子校ゆえの、
劇をするなら男女の恋愛モノ、って風潮があるらしい。
そしておれはミスコンに出ない代わりに、今日まさにそれをやらされた。

「そういやAくんの劇も凄かったよね」
「ちょっ野崎さん、触れないでよ…」
「あー!白雪姫!Aちゃんのクラス、トップバッターだからみんなで観劇したんだよ?」
とみたんがそう大きな声で言って、笑った。

白雪姫役は案の定、おれでした。

「王子様役の子がキスシーンであまりにもAに近付くもんだからさ、のっくん乱入しそうな勢いだったんだよー?」
そ!俺止めるの大変だったー!ってにーちゃん。
「ギリギリまでいったほうが盛り上がるから、そうしようってなったの…」

来年は是非、桃太郎とかがいい。
でもって役は地味な村人C。


雑談しながら校内に入り、大ホールに向かう。
ホールに入ると、丁度次の発表の準備中で、
のっくんがキョロキョロしてるのを見つけたから、駆け寄った。

「のっくん!シフト終わったの?」
「あ、うん、終わったで」
「のっくんおつー!でも俺ら、げるたんのステージの次ミスコン始まるから、準備しなきゃだった!」
って言うあおいくん。
じゃあ、遂に暇人はおれとのっくんだけになるのか。

ホールを出ていくみんな。
おれとのっくんは、出口に近い席に腰を下ろした。

「…A、練習中にセクハラとかされんかった?」
のっくんが小さい声で話し出す。
「えっ何の話…?」
「…無かったらええねんけど」
「もしかして劇のこと?だから俺も相手も、好き好んでやってないって、あれ……」

のっくん優しい→←困らせちゃう



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cosmos(プロフ) - 中等部組のところ、もしかしてBlessingの歌詞ですか?笑 いつも楽しく読んでます。更新お疲れ様です!! (2018年11月3日 21時) (レス) id: 8837544c77 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編待ってました〜〜!!!更新楽しみにしてます♪ (2018年10月28日 10時) (レス) id: cf9cb2a359 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年10月28日 5時

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