願う希少種 ページ2
陸上競技場の観覧席から、
頑張って白服さんたちの姿を探す。
確か白さんもあおいくんもぷんちゃんも、種目は別々。
照りつける太陽の日差しに汗を流しながら、
過酷な環境でも風のように走る選手達を見てた。
一人も見逃すことなくカメラを回して、
声援を送って任務完了。
目標は地区大会を勝ち進むことだったけど、それは達成出来たみたいで、嬉しい!
大会が終わって夕暮れになる頃には、
見てただけのおれも暑さでクタクタ。
競技場を出て帰ろうとしたら、
「A!」
聞きなれた声に、びっくりして振り向いた。
「あおいくん!」
「A、探したよ!」
あおいくんはあははと笑って、おれに駆け寄った。
「応援来てくれてたでしょ?」
「うん!分かったの?」
「もちろん!元気でたよ。ありがとね」
ジャージ姿のあおいくんは、大会終わりでも
明るくにこって笑った。
「ううん。あおいくん、部活のみんなのところ行かなくていいの?」
「今後片付けしてるとこ。A来てたし、四人でラーメンでも食べに行こうよって話になってさ。白瀬さんが、片付けは僕達がしてるからA呼び止めてきてって」
「ほんとにいいの?」
「うん。のっくんには言っとくからさ」
あおいくんはリュックを背負い直して、
おれとベンチに並んで座り、白瀬さんとぷんちゃんが来るのを待っていた。
「大会が終わったら、とりあえず一件落着って感じだなぁ」
あおいくんは疲労のため息をついて、背もたれにもたれかかる。
「また学校に行けるの楽しみ!」
「俺も同意見!やはりAもこっち側の人間だったか…」
「こっち側?」
「新学期が早く来て欲しいなんて願う希少種!」
二人であはは、って笑う。
あおいくんは友達も多いし、一生懸命で色んなことが得意だから、楽しいんだろうな。
「おれはやっぱイベントが楽しみかなぁ。二学期って何あるのかな?」
「まずは文化祭でしょ!文化祭に楽しいのがぎゅっと詰め込まれてる」
「その後上級生は修学旅行だね」
「羨ましいよねぇ」
「高校生は海外行くってきいた!」
「白瀬さんとぷんちゃん、大丈夫かな…外国人にいじめれたりしない?」
あおいくんがそう言うから笑うと、
競技場の出口から、ちょうと二人が駆けてきた。
「Aくんおつかれ!」
「今俺らの悪口言ってたやろー!」
白瀬さんとぷんちゃん、どっちも元気そう。
ぷんちゃんが笑いながらあおいくんの髪の毛をくしゃくしゃ!ってして、あおいくんがヤメテー!って笑った。
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cosmos(プロフ) - 中等部組のところ、もしかしてBlessingの歌詞ですか?笑 いつも楽しく読んでます。更新お疲れ様です!! (2018年11月3日 21時) (レス) id: 8837544c77 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編待ってました〜〜!!!更新楽しみにしてます♪ (2018年10月28日 10時) (レス) id: cf9cb2a359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2018年10月28日 5時