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ほんとにほんとに◆13.10.23 ページ47



人1の起こしたちょっとした騒動は、
母さんも白服さんも怒らなかったし、
そこまで大きな騒ぎにはならなかったけど、

異例のグループの俺たちに、
降り掛かる問題は、もちろん一つじゃ収まりきらない。


「学校側に伝わってたみたいなんだ。
俺の、踊ってみた のこと」

久しぶりのSkype通話。
あっすーの時と同じで、にーちゃんのその声以外には、
何も聞こえない。
空気が重いから。

「…じゃあ…」
白服さんが呟いた。

「………東京に出てこれる回数も、ほんとに減る。ツアーでできる演目も、変わらない」

全国4都市のツアー。
単独だからたっくさん演目をするけど、
全15前後の演目数のうち、
にーちゃんが出演できるのは、たったの2つ。
にーちゃんには、練習する時間がなかった。

「…どうにかしなきゃ、いけないのはわかってる」
にーちゃんの声をスピーカーで聞く。
俺の隣には、人1が座ってる。
その隣には母さんも。


「でも、俺、
教師を辞めてでも、むすめんを続けたい」


はっきり、にーちゃんはそう言った。
唾を飲んだ。
にーちゃんは、むすめん。に、
ほんとにほんとに、本気なんだ。

数秒の沈黙の後、声を出したのはぷんちゃんだった。
「……うん。にーちゃん、俺もにーちゃんと一緒に、頑張っていきたい」

「僕も…にーちゃんが出した選択なら、止めたくない」
真剣な顔付きの白服さん。
俺も、にーちゃんと一緒がいい。
時間はかかるかもしれないけど、頑張ろう。
みんなも口々にそう言って、笑って頷いた。

こんなにむすめん。に本気になってくれる人の、
一大決心、
俺たちメンバーが受け入れてあげなきゃ、
どうするんだ。

俺も頷いた。
「がんばろ、にーちゃん」
隣を見ると人1と目が合って、
人1も頷いた。

これからもっと、頑張ってむすめん。を大きい組織にしていけば、
にーちゃんにもきっと、この道を選んで正解だった、って思ってもらえる日がやって来る。

俺たちなら大丈夫。


その日はもう遅いから、その後すぐに通話を切った。

明日も学校なんだから、すぐに寝る支度しなさいって言う母さんの、
表情を見たら、少し違和感。

「…お母さんは…にーちゃんの決断、賛成じゃない…?」
人1がそう言った。
母さんは苦笑いで、首を横に振った。

「ううん……でも」
「……」
「私は私で、ちょっと考えてみるわ」

そう言って、俺たちの部屋を後にした。
大人にもいろんな考えがある。

とりあえずその日は、俺と人1は特に会話をせず、すぐに寝た。

進めば進むほど◇13.10.23→←見せてあげたくて◇13.10.19



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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!!申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…! (2018年10月7日 19時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみにしてます!これからも更新頑張ってください〜!あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです! (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年10月6日 5時

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