駆け出しそう◆13.02.09 ページ3
「平気、平気…」
駆け寄ると、
上半身だけ起き上がった人1の顔から、
赤い何かが滴り落ちてる。
「わ！血！A血！」
「鼻血鼻血！ぷんちゃんティッシュ投げて！」
のっくんは、駆け寄ってきたぷんちゃんからティッシュを受け取ると、急いで止血。
「ごめんなさい…」
ティッシュで鼻を押さえて、
一気に元気の無くなる人1。そりゃそうか…
大丈夫ー？ってスタジオのあちこちから声が聞こえた。
遠くの母さんが頭を抱えたのが見える。
メンバーのみんなはこっちをチラチラ確認しながら、ちょっと笑ってる。
「手伝ってくれんの有難いけど怪我したら元も子も無いで……すぐ転ぶ癖、何とかならへんの？」
のっくんがため息混じりで俺を見る。
俺は首を横に振る。
「昔から、何か大事な日は絶対転ぶんだよ」
「ごめんなぁAちゃん、なんかこき使って」
ぷんちゃんが申し訳なさそうに人1の顔をのぞき込む。
「全然！…あっ、お水」
ってさっと立ち上がった人1。
駆け出しそうだったのを、のっくんが肩を掴んで止める。
「鼻血出した直後に走り出す奴おらんわ」
「走ってないよ」
「今完全に走り出すフォームやったやん！」
ぷんちゃんがケラケラ笑う。
「Aちゃん専属警備員が必要やな！ハルヨシさん、Aちゃんが下手に動き回らんように見ててくれませんか？」
奥の椅子に座らされて、
その隣にはハルヨシさんが座る。
楽屋のお水は、ぷんちゃんが自分で取りに行った。
休憩が終わって、スタジオに戻る。
血が止まったから撮影の手伝いをしたいって言う人1を、白服さんが止める。
「もう転ばないから…」
「んー…でも、いつも通りAちゃんが撮ってくれたら、みんなもリラックスできそうだね」
って白服さん、人1に甘すぎ！
人1は喜んで、カメラの正面、特等席にしゃがんだ。
「A！どんな感じー？」
位置通りに立って、声をかける。
「みんなすっごく、自然で、かわいい！」
Aがカメラから顔をずらして、俺たちを見た。
あはは、ってみんなが笑う。
妹が転んで鼻血を出して、場がこんなにも和むなんてな…。
まさか、自分が振り付け元になる人生が来るなんて。
ちょっと前まで、人前に出るのが怖くて、ビクビクしてたのにね。
俺たちの大好きな音楽が、流れ出す。
みんなで紡いだ言葉が、溢れ出す。
顔を上げると、
小雨みたいに静かで、優しいけど、
太陽みたいに俺の道を照らしてくれる、
大切なきょうだいと、目が合った。
楽しいのとか◇13.02.09→←こうしてないと◇13.02.09
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
