ひかる (ページ27)

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怒られちゃうぞ◆12.08.18 ページ27

始まってからは、怒涛。

ぷんちゃんと先生と、一緒にステージに足を踏み入れて、
jokersmilesを踊りきったら、
ミュートロギアのために早着替え。
それも終われば、むすめんの準備をして、

オープニングだけで汗びっしょり。
ぷんちゃんやのっくんも、ひーひー言ってた。

次はついに、恋愛ハンターだ。

着替え終わった俺の、
首のスカーフを人１が整えてくれる。
俺はその間にも水分補給。
「水、もっと買っとく？」
「お願い！それと」
「衣装の用意なら母さんがしてくれるから。私は客席でカメラ回してる」
「どこらへん？」
「入口から見て右端」

俺は伸びをすると、
白服さんたちに続いて、ステージ袖に移動。

「いやぁ、ついに始まるって感じやねぇ」
隣のぷんちゃんの顔を、ステージから漏れる、
カラフルな光が照らす。
「本当、ディファってこんなに多いんだーって感じ」
「でもやっぱ、たくさんいるとウキウキするよね」
隣のげるたんが俺を見下ろした。

「うん、でもってもっと長くやりたい！」
「あおいくん十分演目多いやんか！」
「なんかもっとさぁ…ワンマンみたいな！」

ぷんちゃんが、あははって笑った。
「あおいくんならいつかはそれくらい、お客さん集まりそうやな！」
「ん？違うよ！むすめん。の、ワンマン！」

演出のレーザーが、ぐるんってこっちを向いて、
一瞬、ピンクの光が俺たちを照らした。

「なんて、妄想だけど…。あの動画見てくれた人が全員、来てくれたら埋まんのになぁ」
「本当にできたら最高やね」
「俺はちょっと抵抗あるけど、そういうの…」
明らかに緊張してるげるたんの背中を、
ぷんちゃんがさする。
出番だ。

前のみんなが駆け出して、
一番最後に、
光の前に立った。

巻き起こる歓声。

キラキラしてる。
溢れてる、笑顔が見える。
声が届く。

白服さんの背中が見える。
共演してる人が言うのもあれだけど、
その両脇のあっすーや、ぷんちゃん、
他のみんなももちろん、
ステージに立つとめちゃくちゃ輝いてるし、
一気にカッコよくなる。

今放て！

猫を被るな

実力以上に結果は出せない

燃え尽きるほど

本気になれないのなら

明日はない

二番のサビは、センター！

中央ステージに走ると、
お客さんの熱気に負けそうになる。
そんな空間に入れることが、嬉しい！
怖くない。
下向いてたら、人１に怒られちゃうぞ。

……本当に、
さっきの妄想が、
実現したらいいのに。

帰りの車で、人１に言ってみよう。
きっと、俺以上にはしゃぐはずだ。