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10おつかれ ページ10



「A、入るよ?」
ノックと一緒に聞こえる声。
いいよ、と声をかけると、扉を開けて、あおいがひょこっと顔を出した。
「やっほ。遊びに来たよ」

ここは女子寮。
一年生は基本二人部屋なんだけど、私は余りで、一人部屋。
よくあおいは、先生達の目を掻い潜って、私の部屋に遊びに来る。

「おつかれA。ぷんちゃんからAのこと聞いてるよ。竜の子 のことも…」
「うん…」
あおいは扉に寄っかかって、ロフトのベットに座る、私を見上げた。

「白服さんとも話した。……のっくんを、一人で助けに行ったんだって?」
「うん」
「……爆破術を唱えて?」
「……うん」

あおいは、えぇ、と間抜けな声を出し、
「本当に?本当にエクスパルソを唱えたの?」
声を裏返して驚いた。

「だって、竜の子は、魔力をたくさん使う魔法なら、使いこなせるかなって思ったから…」
「魔力をたくさん使う魔法を唱える人には、それなり大きな器が必要なのに?」

あ。

「……衝撃波、あったでしょ。あるに決まってるよ。まだ一年生なのに、その副作用を抱え込めるわけがない」
「…そうでした…」
「Aは白服さんのプロテゴに護られたんだよ。プロテゴは、俺も、ぷんちゃんだってできない、超高度な防衛魔法。その直後は浮遊術?白服さんの的確な判断がなきゃ、死んでたかもよ?A」

プロテゴ、が聞こえたのは、私が爆発せよ を唱えた直後。
私がエクスパルソを使えば、絶対に副作用が来る、って分かっていたってことになる。

「…代表生すごい……」
「呑気なこと言ってる場合じゃないよ!」

「は、はい…」
「それから今の今まで、先生から何もお咎め無しなんでしょ?」
「そうですね」
「あの爆破呪文が間一髪、巨人からAたちを守ったのは確かだけど、唱えたのがAってのは、先生からはまあまあ怒られるよね」
「うん…」
「白服さんが、全部自分がやったことだって、報告したらしいよ」

「えー!」
「A夜中だよシッ!」

あおいはたたた、とロフトのはしごを登って、ベットの私の隣に転がり込んだ。
「私、代表生さんに感謝してもしきれないってこと……?」
「俺は…一人きりでのっくんを助けに行った、Aの行動力を、白服さんは評価したんだと思うよ。だからあの場で直接、Aに謝らせることをしなかった。俺からこうやって、注意させることにしてね。ただ…」
「…」
「謝ってきなよ。迷惑かけたよ?」

ですよね。
肩を落としたら、俺も一緒に行くからさ、白服さん優しい人だから大丈夫、
ってあおいがいつものように、肩に手を置いた。

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ひな(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!コメント励みになります(;;)がんばります!! (2018年3月3日 18時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ひなさんの小説の世界観が大好きでいつも楽しませてもらってます!!更新大変だとは思いますが、がんばってください! (2018年3月3日 14時) (レス) id: a81d6c10a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 有栖夢子さん» ありがとうございます!頑張りますね(;;) (2018年2月28日 16時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
有栖夢子(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます!楽しみにしているので、これからも頑張ってください! (2018年2月27日 22時) (レス) id: 75b30202ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年2月15日 21時

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